リニア中央新幹線の静岡工区を初めて視察した鈴木康友静岡県知事。知事就任後リニア問題をめぐる動きは加速していますが、視察の成果はあったのでしょうか。

7月10日、約5時間かけて、リニアの静岡工区を視察した鈴木知事。工事で発生する土を置く「ツバクロ発生土置き場」や田代ダムなどあわせて6か所を見て回り、JR東海の担当者から説明を受けたということです。
<佐藤浩太郎記者>
「椹島ヤードです。こちらに導水路トンネルがつくられる予定です。工事で湧き出た水がこのトンネルを通って大井川に流されます」
椹島ヤードでは、JR東海の職員が泊まり込みで作業するための宿舎がすでに完成していますが、いまだに使われていません。

<視察に同行したJR東海水野孝則副社長>
「ものすごくですね、いろんなことを(知事に)吸収していただいたと思います。いくつかのご質問、あるいは同行されました専門部会の方からのご質問につきましても当社としては的確にご説明できたのではないかと思います。まずもってこの現場に足を運んでいただいた、そして実際にみていただいた、われわれとしてみれば、それは本当にありがたいこと」
手応えを口にするJR東海側。リニア問題をめぐっては、鈴木知事は県議会で「課題がクリアされ、大井川流域の自治体などから一定の理解が得られた時点で政治的な決断を下す」との考えを示していました。

<静岡県 鈴木康友知事>
「百聞は一見にしかずじゃないが、現場を確認させていてだいて、より理解を深めることができた。とてもよかった。自然を守りながら工事を進めていくためには、工事を進めていくためにはこれからも真摯にスピード感をもってJRと対話を進めていきたい」
この視察が鈴木知事の政治判断にどのような影響をもたらすか、今後の動きが注目されます。