南海トラフ巨大地震との関連は…愛媛県と高知県で震度6弱 静岡でもかつて発生「日頃からの備えが大切」
4月17日夜、愛媛県と高知県で最大震度6弱を観測した地震は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の中で発生しました。巨大地震との直接的な関係はないとしながらも、備えは大切だと専門家が指摘しています。
<常葉大学 阿部郁男教授>
「私たちが心配している南海トラフの巨大な地震は、プレートの境界がずれ動くことによって地震が発生する。今回発生した地震はですね、この海のプレートの中ですので、直接はまず関係がないという風に考えられます」
17日夜遅く、最大震度6弱を観測した高知県宿毛市。高知県が震度6弱の揺れに襲われたのは、気象庁が1996年に震度の階級を見直して以降、初めてのことでした。
震源地は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の中にある豊後水道で震度の深さは39km。地震の規模を示すマグニチュードは6.6で、愛媛県と高知県で震度6弱を観測しました。
南海トラフ巨大地震は、陸のプレートの下に海のプレートが沈み込み、陸のプレートが跳ね上がることで発生します。17日夜の地震はメカニズムが違い、海のプレートの内部が壊れることで起きたものでした。
津波工学などを専門とする常葉大学の阿部郁男教授は、巨大地震とは直接は関係ないとしながらも影響がまったくないとも言い切れないといいます。
<常葉大学 阿部郁男教授>
「当然ここで地震が発生して、それが陸の方まで揺れが伝わってきて、この白い点線のところも揺れが伝わりますから、直接影響はないにしても、この後、地震の起こり方がどういう風に変わっていくのか、今後、注目していただく必要があると思っています」
海のプレートの内部が壊れることで発生する地震は、かつて静岡県内でも起きています。2009年の「駿河湾の地震」で、死者は1人、319人がけがをしました。
<常葉大学 阿部郁男教授>
「今回起きた地震と同じような地震が2009年の駿河湾でも発生していますので、そういったことは、いつ起きてもおかしくない。日頃から、地震に対する備えをしていただくことが大切になると思います」
17日夜の地震はマグニチュードが6.6でした。しかし、規模が少し大きく6.8以上ならば、南海トラフ巨大地震との関連を専門家が検討する「臨時情報」が発表されることになります。
いつ起きても不思議ではない巨大地震に備えなければなりません。
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