2年半前に購入したソファって、返品できるの? 日本人には驚きの「アメリカ返品文化」!?

先日、アメリカではTik Tokのとある動画が話題になり、様々なニュースで取り上げられました。

内容は「約2年半前にコストコで購入したソファーが返品ができて、返金された」というものです。

2年半前!? それって返品というより中古を引き取ってもらう方が近いのでは…という感想を持ちながらも、さすがアメリカ、返品の文化がすごいなぁと感心してしまいました。

というのも、こちらでは「Return(返品)」という言葉が日常に浸透しています。ターゲットやコストコなどの大手小売店では当たり前のように返品カウンターが設けられており、特にコストコではいつ見ても長蛇の列。「買って合わなければ返品しちゃえば?」という会話も日常です。
こちらはターゲットの返品レジ。この日は人はいませんでしたが、3台体制(笑)。
こちらはコストコ。ここは本当にいつも混んでます。カゴいっぱいでくる方もいるので、価格も見ずに本当に考えながら買ったんかい!と突っ込んでしまいます。

あまりに返品が多いため、環境(返品されたものの多くが埋め立てられる)にも影響がでているので、様々な対策がとられはじめたり、返品の面倒臭さを解決するスタートアップが現れたりと社会課題の一つとなっています。また、そもそもの返品を減らす取り組みとしてオンラインでのバーチャル試着の取り組みや返品NGとする店も出てきているようです。

EC最大手のアマゾンはホールフーズを買収したことによって返品がしやすくなりました。アプリ上で返品登録をした上で店舗に持っていくだけ、となっています。

実際の返品率には以下のようなデータが示されています。

2023年の返品総額は7,430億ドルに達し、売上高に占める返品率の割合は14.5%であった。オンライン販売の方が返品率は高く、オンラインで購入した商品は17.6%、これに対し、実店舗での返品は10.02%であった。
(出展: National Retail Federation (米国小売業協会)https://nrf.com/research/2023-consumer-returns-retail-industry)


日本での調査が見つからなかったので比較できませんが、日本ではここまで多くない印象です。

アメリカの物価上昇、返品を見越して値段に付加されてるんじゃないか、だから高いんじゃないか、と疑ってしまいます。

さて、話題になったコストコ、そのリターンポリシーは、
"Risk-Free 100% Satisfaction"(リスクなしの100%の満足)。

商品の購入については一部を除いて、
"We guarantee your satisfaction on every product we sell, and will refund your purchase price"(私たちは、私たちが販売するすべての製品についてお客様の満足を保証し、購入代金を返金します)。

                                                                                                                                                                                                                      自分たちの取り扱う商品に絶対の自信です。一部対象外に、話題になったソファーは含まれていませんでした。こういう企業姿勢も含めて愛されているのでしょうか。次回、アメリカのコストコ事情について書きたいと思います。


追伸)
返品に関する規定、カリフォルニア州では以下のように定められています。店舗側で設定ができるので、決して返品、交換がどこでもなんでも認められているわけではありません。その都度各店舗に確認が必要ですね。

"Most retail stores allow you to return things you buy within a reasonable time for a full refund, credit, or an exchange. When a store clearly displays a limited or no-refund policy, however, refunds and exchanges are not required by law. "
「ほとんどの小売店では、妥当な期間内であれば、購入した商品を返品し、全額払い戻し、クレジット、または交換を受けることができます。ただし、店舗が返金制限または返金禁止を明示している場合、返金や交換は法律で義務付けられているわけではありません。」


執筆者:萩原諒
2008年に静岡新聞社・静岡放送入社。広告営業に沼津、東京、静岡で従事。2018年より経営企画部。2022年よりハワイ報知出向、カリフォルニア州クパチーノ駐在。メディア業界のリサーチ、スタートアップ探索、VC投資などを担当。

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