
ブタクサやススキなど「草の花粉」に注意
影島:私は春、秋ともに花粉症で、時々鼻水が出てきます。秋はどんな花粉が原因なのでしょうか?落合:「草の花粉」が主な原因として挙げられます。ブタクサと呼ばれるキク科の雑草や、ススキに代表されるイネ科の草の花粉です。
影島:ブタクサやススキはどこに生えていますか?
落合:草むらや公園、川岸など至るところに生えています。最近は都市計画の中で緑地化を進めているため、街中にもイネ科の雑草が繁殖しています。
影島:たしかに見かけますね。草が原因だとすれば、除草剤で簡単に排除できそうですが…。
落合:部分的な処置はできると思います。広範囲に渡って雑草が生えているので、除草剤をまくのは経済的な負担が大きいです。虫や魚などに影響が出て、生物の環境が変わってしまうこともあります。
夏の猛暑も影響?
影島:夏の記録的な猛暑が秋の花粉症に影響することもあるそうですね。落合:ひとつの要因となります。暑さに加えて適度に雨が降った地域は、草が繁殖して花粉が大量に飛散します。今年の静岡県は、地域によりますが、どちらかというと花粉が多い傾向だと思います。
影島:私も喉がイガイガして困っています。
落合:春の花粉症の原因は「木の花粉」なんですね。スギやヒノキなどの花粉が風に乗って飛んできます。秋は地面に生えている草の花粉が原因なので、下から飛んできて、それほど遠くには飛ばないという違いがあります。
秋はハウスダストやダニのアレルギーも
影島:そのほか、秋にアレルギー症状を起こす物質はありますか?落合:ハウスダストやダニのアレルギーがあります。夏に繁殖したダニは、秋には死骸となってチリやホコリと混ざって家やオフィスの中にたまり、鼻水やくしゃみ、皮膚のかゆみなど花粉症とほぼ同じ症状を引き起こします。
影島:アレルギー症状が現れた場合はどうすればよいですか?
落合:アレルギーの飲み薬や草の花粉の場合、目がかゆくなる人が多いので、アレルギーを緩和する目薬、鼻のスプレーが代表的な治療方法になります。秋は草の花粉が原因で、それほど遠くに飛ばないので、一番の対策は「草むらに行かない」ということです。川や公園に行くのを控えたり、マスクをして花粉が体内に入ってこないようにすることが大切だと思います。
影島:つらければ病院に行くのもおすすめですね。
落合:ぜひ病院に行ってほしいです。アレルギー検査をしたら、花粉ではなくハウスダストが原因だったということもありますので、アレルギー科や耳鼻咽喉科、眼科の先生に相談してください。
影島:落合さん、ありがとうございました。
※2023年10月24日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
今回お話をうかがったのは……落合善美さん
環境アレルギーアドバイザー。花粉症などのアレルギー、副鼻腔炎(蓄膿症)に関する医療機関の情報サイト、動画配信などを制作・運営支援している。