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アットエス編集部

どうすればプロサッカー選手になれる?鈴木啓太さんと成岡翔さんがSBSカップ国際ユースのトークショーでアドバイス!

8月17日に開幕する「2023 SBSカップ国際ユースサッカー」を前に、元日本代表の鈴木啓太さん(静岡市清水区出身)と、元ジュビロ磐田の成岡翔さん(島田市出身)によるスペシャルトークショーが袋井市のエコパスタジアムで開かれました。司会はSBS静岡放送の青木隆太、杉本真子の両アナウンサー。

(写真左から)青木アナ、鈴木さん、成岡さん、杉本アナ

「静岡選抜は日本代表にも負けてはいけない」

(司会)SBSカップは47回目。ユースサッカーの国際大会としては日本で最も歴史のある大会です。最初のトークテーマは「SBSカップ出場の思い出」。鈴木さんは1999年に静岡選抜で出場。成岡さんは2000〜02年と3年連続で出場されています。

(鈴木)僕が高校1年生の時、3年生に小野伸二さん、高原直泰さんがいて、本当にすごい人たちばかりが出場する憧れの大会でした。そんな大会に3年生の時に出場できるとなり、もう楽しみでしょうがなかったですね。

この大会で活躍するとプロサッカー選手になれるかもしれないっていう登竜門的な大会だったので、ドキドキしながら試合をした記憶があります。

(成岡)僕は1、2年の時は静岡県選抜で出て、3年で日本代表で出場しました。

(鈴木)エリートですねえ。

(成岡)お客さんがたくさん入って、言葉は悪いかもしれないけれど、お祭りみたいな大会でした。1年生の時、県選抜の先輩には当時清水商だった小林大悟さんや佐野裕哉さんらJリーガーになった方々がいました。

(鈴木)サッカー王国静岡としての誇りが強くあった時代で、「静岡県選抜は日本代表にも負けてはいけない」、そんなプライドを持って試合に臨んでいました。

ただ、自分たちの時は日本代表に完敗でした(笑)。当時の日本代表には佐藤寿人さんや駒野友一さん、前田遼一さんらA代表になった選手がたくさんいて。ちょっと力の差があったかなと思いました。

(成岡)日本代表で出場した時は、静岡県選抜とやるときに変なプレッシャーを感じてましたね。日の丸を背負って戦うわけで、静岡には負けてはいけないと。

国際大会が子どもたちに与えるもの


(司会)今年のSBSカップは、韓国とパラグアイを迎えます。成岡さんはパラグアイとの対戦経験がありますね。

(成岡)僕が3年生で日本代表として出場した時にパラグアイ代表と対戦しました。南米のチームなので、やはり個人技があり、局面でパワーやテクニックを持ってたりする印象がありますね。

(司会)やはり海外のチームと戦う経験は貴重ですか。

(成岡)海外の選手からは、対峙する選手に対してのパワーや気迫をすごく感じましたね。「俺たちは戦いに来てるんだ」みたいな雰囲気はちょっと怖かったです。

(鈴木)サッカーの種類が日本と韓国では違うし、南米やヨーロッパのチームはさらに違う。いろんなチームと戦うことによって「こういうサッカーがあるんだ」ということに気づくんですね。海外のチームとやる上でのメリットだと思います。

ペトロビッチ監督から学んだ「信じること」


(司会)続いてのテーマは「子供たちへのメッセージ」。お2人が子供たちを教える上で意識していることは?

(成岡)いろんな小学生の大会を見ていると、「あれやれ、これやれ」と、すごい指示をする指導者がいます。僕は自分で判断できる自立した選手を育てたい、そういった選手になってほしいと思って指導しています。

最低限やるべきことは教えますが、「今は何を考えていたの?」とか「今こういったプレーをしたけど、どんな意図があったの?」とか質問形式にして。そうしたやり取りの中で、子どものプレーを引き出していく。

(鈴木)僕が一番大事と思っているのが、子どもを信じること。子どもたちは可能性をものすごく秘めている。その可能性の幅を狭めているのは、周りの大人たちなのかなって。

今できるできないではなくて、「君は必ずできるようになるよ」という思いをちゃんと持って指導しているかどうかだと思うんですね。これは子供に伝わると思うんです。大人がきちんと信頼してあげられるかどうか。

僕はそれを30〜34歳の時に、現在コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督から学んだんです。監督から一番最初に言われたのは「啓太、お前もっとうまくなるよ。絶対君はできるよ」という言葉。その後、自分の中では一番サッカーがうまくなったと実感しています。僕が身をもって体験したことです。

指導者や保護者の方々は「あの子はできる、できない」などとラベルを張らずに、周りの環境を整えることが一番重要かなと思います。

「翔、サッカー好きか?」

(司会)会場の皆さん、お2人に聞きたいことはありますか。

(会場の子供)どうやったらトップレベルのチームで活躍できますか。

(成岡)小学校の頃に出会った指導者の方にずっと、大人になってもプロになっても「翔、サッカーが好きか」って聞かれていました。本当にサッカーが好きだったら、もっとうまくなりたいと思って自分で練習し始めると思うんだよね。

やっぱり好きで楽しいという気持ちを忘れずに、常に練習をやってほしいなと思う。そうしたら、僕らが言わなくても勝手に自分たちで考えてやるようになる。

(鈴木)逆に質問させてもらいます。「あなたはサッカー選手にはなれない」と、もし言われたらサッカーやめる?

(会場の子供)やめはしないと思います。

(鈴木)やめないよね。僕はそれがすごく大事だと思っています。サッカー選手になれるからサッカーをやるとか、なれないからサッカーやめるとかじゃなくて、僕の場合は小さい頃に「こういう選手になる」と決めて、もうそれ以外は考えなかった。

君はサッカー選手になる?

(会場の子供)なります。

(鈴木)よし!これを言うことはすごく勇気がいることだと思うんですよ。でも、「なります」って言った以上、一生懸命練習すること。

誰にでも可能性はある

(司会)事前にいただいた質問です。「今のユース世代で第2の久保建英選手になれる選手は誰でしょうか?」

(鈴木)全ての選手に可能性があります。どこでどうなるか誰もわからないですよ。三笘薫選手は大学に行って成長した。それぞれステップの仕方が違います。久保選手を超える選手が多分出てくる。

(成岡)高校で僕はかなりちやほやされたけれど、結局Jリーグでは活躍できませんでした。一方で、他の大卒の同世代が活躍したりしました。わかりやすいところで言うと、2歳下の長友佑都選手。大学に進んでそのまま途中でFC東京に上がってきました。

やっぱりどこでどうなるかわからないし、それは本人次第。あるいは出会った人次第。久保選手を超える選手は必ずいると思いますね。

(鈴木)SBSカップでそういう何かキラリと光るものが見えたら面白いですよね。

(成岡)自分に選手を見る目があるのかどうか。「ほら、あのときに俺が言っていた選手が来たでしょ」って言いたいですね。

王国復活のために必要なこと


(司会)最後に、サッカー王国復活のために何が必要でしょうか?

(鈴木)すごく難しいですね。言えるのは、周りのレベルが上がっているということ。今は日本サッカー協会が作った指導方法が全国に広がっています。静岡が当たり前に勝てるっていう時代は、多分もう来ないと思うんです。もう来ないと思って、そこからどう自分たちの独自色を出して、静岡の魅力を伝えていくのか。

あとはサポーターの皆さんが厳しい目で静岡のサッカー界を育て上げる。そういう形にしていくしかないんじゃないかなと思います。

(成岡)僕は何かプロジェクトのようなものが必要だと思います。静岡のサッカー界をどう変えていくのかという部分をもう少し具体的にして、そういったところに僕も絡んでいきたいなと思っています。微力ですけれども、静岡サッカーの力になれることがあればやっていきたいです。

(鈴木)もう一つはっきり言えるのは、清水エスパルス、ジュビロ磐田、藤枝MYFC。どこでもいいですけど優勝することです。トップのレベルが上がらない限り、絶対下は育たない。Jリーグのチームがトップを取ることによって、育成年代も必ず上がってくると思います。

静岡のサッカーが盛り上がるということは、僕にとってふるさとが盛り上がること。ぜひ静岡サッカーの伝統にプライドを持って、次の世代に渡していけたらなと思っています。

大会HPはこちら
https://www.at-s.com/youth_soccer/


 
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