静岡の老舗家庭用品店「三保原屋」の姉妹店

1992年のオープン以来、他にはない、こだわりのおしゃれなアイテムが揃う雑貨屋さんとして、ファンの多い「NEST焼津」。
店内にはちょっとしたギフトにもぴったりな見た目もかわいい食品から、食器などの生活雑貨、レディース&メンズのファッションアイテム、キャンプなどのアウトドアグッズまで、様々なアイテムが所狭しと並びます。
そのトレンドをおさえたラインナップからはちょっと意外かもしれませんが、実は江戸時代から続く静岡市の老舗家庭用品店「三保原屋」の姉妹店なのです。

店内にはギフトにもおすすめな食品や手ぬぐい、食器などが並ぶコーナーも
家庭用品を中心に扱う本店とは違ったカジュアルな雰囲気漂うお店づくりの背景とは?三保原屋常務・堀高輔さんに、アットエス編集部・花島が取材しました。
アウトドアグッズを揃え始めた背景は?

直営店を除き全国で3店舗しかないCHUMS提携店舗のひとつ。全国有数の品揃えを誇る
花島:「NEST焼津」は和テイストの家庭用品を中心に取り扱う「三保原屋本店」や、ナチュラルで北欧チックな雑貨屋さん「三保原屋LOFT」とはまた違ったカジュアルな雰囲気を感じます。アウトドア用品を多く取り扱うようになった背景はなんでしょうか?
堀さん:父が昔、輸入雑貨を販売する「ソニープラザ」(現在の「PLAZA」)に勤めていたり、山登りが好きだったりしていたのが関係しています。

父は当時からよく輸入雑貨に目を付けていたようで、例えば今でこそダウンやフリースはユニクロにもある一般的な商品ですが、昔はあまり知られていない山道具でした。ただうちでは、そういった珍しいものも当時から仕入れていました。
本店の和テイストな雰囲気よりもカジュアルな商品が多いのは、そうした経緯を経ていますね。

CHUMS以外にも、THENORTHFACEやPatagoniaといったアウトドア系ブランドの商品を展開
あとは、時代の流れの中で“タウンユース”、つまり街使いできるファッショナブルなアウトドア用品が結果的にライフスタイルとして定着していったのも、現在のラインナップに影響しています。

実は、昔はぬいぐるみを売っていたこともあるんです(笑)。ファンシーっぽい路線に走っていた時期もあって。とにかく、目新しさを大事にしていたんですよね。
花島:それは意外!ファンシー路線も輸入品の流れですか?
堀さん:そうですね。今でこそ個人でも輸入ができますが、当時はなかなか珍しかったので、そういう輸入雑貨のような珍しいものをメインで売っていましたね。
そこからまた時代もお客さんも変わり、ニーズも変わり、現在のようなアウトドア用品メインの品揃えになっています。
それぞれの「好き」が新たなお店を生んだ
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輸入雑貨や山登りが好きなお父様が始め、今の商品ラインナップにもその経緯が影響している「NEST焼津」。そういえば、静岡市にある姉妹店「三保原屋LOFT」も、「作り手の想いが伝わるような温かみのある商品が好き」というお母様の思いがきっかけでした。
堀さんのご両親それぞれの想いが、それぞれ姉妹店として現在まで本店と同じく長く愛され続けている......それを知ると、なんだかほっこりしてしまいました。
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きっかけは、どちらも“これが好き!”という一人の人間の純粋な心。でも、そこから生まれたお店が広く長く愛されているのは、きっと常に時代の流れやお客さんの声を柔軟に拾ってきたからこそなのではないでしょうか。
これからも、この町で愛され続けるお店としてどんな道を歩んでいくのか、とても楽しみです。「変わらないために、ちょっとずつ変えていく」(堀さんのブログから)。それを見届けるために、私はこれからもいちファンとして通い続けたいと思います!
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■NEST焼津店
住所:焼津市東小川6-6-4
TEL:054-626-7100
(文・アットエス編集部 花島瑞希)
静岡・青葉通り発『三保原屋LOFT』。見ているだけで癒やされる、美術館のような雑貨屋さんへ>>