〇委員の意見〇
・家康が愛したという西洋時計の流転にまつわる秘話を軸にし、静岡での家康の人間的な人物像を浮き彫りにしていた。この番組には、人々の心と心の結びつきは、必ず何らかの未来への希望の芽を生み出すというメッセージが込められていたと思う。
・時計にまつわるエピソードそのもののおもしろさをストレートに感じた。昭和30年に盗難事件が起きてから今に至るまでの経緯も紹介してほしかった。
・構成や演出が見事だった。過去から未来、場所が移っていく展開の仕方やエピソードの差し込み方がうまく組み立てられていた。番組の最後に流れた澄んだ時計の音が心に残った。
・開局60周年記念にふさわしい番組だった。時間をかけて丁寧に作られた番組は、
視聴者が地方局に期待する番組であり、大きな存在意義を感じるものだと思う。
時計の歴史、エピソードが大変興味深く、それらをひも解いていくことで説得力のある番組になっていた。
・作り手の強い思いが作品に込められていた。まるで歴史ドラマを見ているようだった。ナビゲータに女優を起用したのは良かった。時計が家康のもとに贈られた経緯が、スペインの難破船乗務員を千葉の岩和田村の人々が自分達の命を顧みず助け、家康が乗組員たちを温かくもてなし、船まで用意して送り返したことによると知り、家康が偉大でグローバルな人であったことを知ることができた。知られざる史実が多く、静岡だけでなく日本の方に知ってもらいたいと思った。
・時計を主人公に、一つの筋立てをうまくまとめられていた。国宝申請された時計の今後もまた伝えて欲しい。
・小和田先生の家康公と西洋時計との出会いの解説もわかりやすく、原田夏希さんのナレーションや音楽、CG、再現ドラマなども番組全体を盛り上げていた。 |