衆院法務委員会で再審法改正案が可決 検察官抗告は原則禁止へ 袴田巖さんの姉・ひで子さんが語る"50%の評価"

袴田巖さんの問題を機に始まった裁判のやり直し=再審法の改正に向けた動きは、6月12日の衆議院法務委員会で政府の修正案が可決されました。

袴田さんの姉・ひで子さんは、「これが第一歩」と受け止めを語りました。

■衆院法務委員会で再審法の改正案可決

「本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって本修正案は可決いたしました」

12日の衆議院法務委員会で可決したのは、再審法の改正案です。

再審法とは、有罪判決が確定した刑事裁判に誤りがあった場合に、裁判をやり直して冤罪被害者を救うための制度です。

■検察官による抗告での長期化、証拠開示義務のなしなど課題が浮き彫りに

しかし、逮捕から58年後に冤罪が認められた袴田巖さんによって、現在の再審法では▼検察官による抗告で裁判が長期化する、▼検察が証拠を開示する義務がない、などの課題が浮き彫りになっていました。

再審法の改正に向けて12日の委員会では、自民党、日本維新の会の与党と参政党が、これまでの政府案を修正する案を提出。

修正案では、▼検察官が保管する証拠の一覧表の開示、▼証拠の目的外使用の禁止規定を法の施行後5年ごとに見直しの対象にする、▼裁判所が検察官に証拠の提出・開示を勧告できるとの内容が付則に盛り込まれました。

<中道改革連合 西村智奈美議員>
「私たちは再審請求審をこれ以上、国民の目から隠すような、ブラックボックス化するような今回の法案には賛成できません」

政府の修正案は一部の野党が反対する中、賛成多数で可決されました。

■袴田巖さんの姉・ひで子さんが語る評価

これを受け、証拠の全面開示などを求めてきた袴田巖さんの姉、ひで子さんは。

<袴田ひで子さん>
「改正と言っても私たちの気に入る100%は、なかなか難しいと思う。だけど50%ぐらいは最初から進んでいる。これが第一歩、第一歩の改正。今まで再審法の改正なんてなかった。見向きもされなかった。それがこれだけ関心をもっていただいて本当にありがたい」

修正案は、16日の衆議院本会議で可決する見通しです。

与党が少数の参議院でも一部の野党が賛成に回る見通しのため、今国会で可決・成立する公算が大きくなっています。

■原則禁止となった「検察官抗告」と明確なルールのない「証拠の開示」の行方

6月12日の衆院法務委員会で可決された再審法の改正案についてポイントを整理します。

再審が決まったあと、やり直しの裁判を始めるまでの期間を長期化させる懸念がある「検察官抗告」。

現行の法律では禁止されていませんが、今回の改正案で原則禁止となりました。ただ、「十分な根拠がある場合」に限り例外的に抗告を認めるもので、ひで子さんたちが求めていた全面禁止には至りませんでした。

また、再審の鍵を握る「証拠の開示」。

現在は明確なルールはありませんが、改正案では▼検察官が保管する証拠の一覧表は裁判所のみに提示、▼開示された証拠の目的外での使用は禁止などと規定した上で、法の施行後5年ごとに見直しの対象にすることなどが付則に明記されました。

全面開示を求めていた袴田巖さんの関係者にとって、政府案の“完成度”は姉のひで子さんの言う通りで「50%の評価」だったとみられます。

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