スイーツのまち熱海が開発した「防災チーズケーキ」 おいしい備蓄食で心の安らぎを...防災と地域振興を両立させる新しい取り組み=静岡

熱海の魅力を凝縮 3年保存可能な「だいだいチーズケーキ」

静岡県内でも屈指のスイーツの街として知られる熱海市が2026年、防災スイーツを開発しました。目指したのは、万が一の際でも心が安らぐおいしい備蓄食です。

お馴染みの熱海プリンに、県内産のイチゴを使ったラグジュアリーなパフェ、和栗を贅沢に使用したモンブラン。

<青島悠記者>
「口の中に入れた瞬間ふわっとだいだいの香りがして、とってもおいしいと思います」

スイーツのまちとして知られる熱海市が2026年に開発したのが、2026年3月から熱海市が備蓄を始めた防災スイーツ「熱海産だいだいチーズケーキ」です。

3年間の保存が可能

2026年3月から熱海市が備蓄を始めたこのケーキは、熱海市と熱海観光局が民間企業と協力して開発したものです。

ケーキの生地には熱海産のだいだい果汁とピールが練り込まれており、缶詰に加工されていることから3年間の保存が可能です。

<ケーキを開発した国分中部 飯原恵之朗主任>
「チーズケーキとだいだいを組み合わせることで、爽やかな香りのあるチーズケーキを作っていきたいというのがコンセプトとなります」

台風10号の教訓 帰宅困難者の不安を和らげる「食」の力

柑橘の栽培が盛んなスイーツのまち、熱海を全面に押し出したこのチーズケーキは、帰宅困難者向けに開発された防災備蓄品です。

背景には、2024年8月に県内を襲った台風10号の教訓があります。大雨の影響で公共交通機関がストップし、JR熱海駅では観光客を中心に大勢の帰宅困難者が出ました。

観光客からは「3時間ぐらい待っている」「足も疲れてきて大変」といった声が上がっていました。

熱海市として後手に回っていた帰宅困難者対策。不安の中で長時間待つ人たちに何かできることはないかと考え、たどり着いたのが心を和らげる食べ物でした。

<熱海市観光経済課 中島浩太郎課長>
「やはりなかなか帰れなくて心が落ち着かないというところがあると思いますので、この心を和らげるようなそういう食料品になればいいかなと」

中学生がデザインしたパッケージ 「心のゆとり」を届ける

手に取ったときに目に入るケーキのパッケージには、当時市内の中学生だった平野詩織さんが考案したデザインが採用されました。

<平野さん>
「大変な時に食べられることが多いと思うんですけど、そんな時に(パッケージを)見て、こういう材料が使われているんだなって、絵を見て楽しんでくれれば、少しでも心のゆとりが良くなってくれればうれしいです」

<熱海市 斉藤栄市長>
「熱海の魅力を発信しながら、防災と地域振興を両立させるという新しい取り組みだと考えております」

「おいしい備え」がいざという時の心を支える、観光地・熱海から始まる新たな防災の取り組みです。

熱海市は今後、熱海産だいだいチーズケーキを毎年3000缶ずつ製造し、常時9000缶の備蓄を行うということです。

賞味期限が近くなったものは、市内で行われる防災活動の取り組みなどで市民らに配布する予定で、ケーキの開発、生産には宿泊税を活用します。

今後は市民向けの防災備蓄品にも甘い物を採用できないかを検討したいとしているということです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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