「クエタマ」ってなんだ? 成長早く非常においしい魚だと評判 ガス会社が“珍しい魚”の養殖に挑戦=静岡

「幻の魚」と呼ばれるクエ。鍋料理や刺身などが人気を集める一方、流通しにくいという側面もあります。そこで、静岡県内の企業がこのクエに代わる珍しい魚の養殖に挑戦しています。その名も「クエタマ」です。

静岡県御前崎市にある磯料理専門店。新鮮な魚を使った料理が人気です。中でも、多くの人の舌を楽しませているのが…

<荒磯 大石勇さん>
「御前崎クエを取り扱っている。人気で、全国から食べに来ていただいている」

幻の魚と呼ばれるクエ。御前崎では20年前に、完全養殖に成功しました。こちらのお店では、養殖された「御前崎クエ」を使い、フルコースを提供しています。ただ、出荷時期は11月から3月までと短いのが課題です。さらに…

<荒磯 大石勇さん>
「天然のクエは、年に何匹かしか獲れないので一般の人たちに、お値段的にも食していただくのは難しい」

静岡市駿河区池田にある静岡ガスの静岡支社では、クエに代わる魚の養殖プロジェクトがいま、進んでいます。手がけるのは、静岡ガスです。

<静岡ガス 橘高大輝さん>
「こちらの養殖設備でクエタマを養殖しています。クエタマは、ハタ科のクエと(ハタ科の)タマカイを組み合わせたハイブリット魚で、天然にはいない魚」

「クエタマ」はクエと同じハタ科で大きいもので体長が2メートルにもなるという「タマカイ」を交配して生まれた魚です。静岡ガスでは、2024年11月から約100尾養殖しています。

<静岡ガス 橘高大輝さん>
「新たな事業も展開していきたいというところで、陸上養殖に目をつけた」

この「クエタマ」には、こんなうれしいメリットがあります。

養殖するうえで大切なのが成長にかかる期間。アジなど小さい魚は約1年、マグロなどの中型から大型の魚は、3年ほどで食べられる大きさになります。一方、クエは5年もかかります。これに対し、クエタマはわずか1年で出荷できるサイズになるといいます。

<静岡ガス 橘高大輝さん>
「稚魚の状態から1年で出荷サイズになるので、成長スピードが早い。味はクエのかけあわせということもあって、非常に美味しいと評判」

静岡ガスでは2025年の秋に出荷する予定です。静岡育ちの「クエタマ」が食卓に並ぶ日もそう遠くないかもしれません。

クエタマの養殖に使う海水は、水道水から人工的に作っているため、寄生虫のリスクもなく、海より安定して育つといいます。また、水をろ過して再利用しているため、環境にも良いとされています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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