
【評】磐田が清水に2―1で逆転勝ちし、3回戦に進出した。
先制点は清水。キックオフから約20秒で右サイドのMF小竹からのクロスをFWアフメドフが頭で合わせた。磐田は前半26分にMF倍井がシュートを放ったがゴール左に外れた。45分のMF川崎のクロスは清水のGK梅田の好守に阻まれた。
後半8分、倍井のクロスをファーサイドで川崎が頭で決めて磐田が追いついた。オープンな展開で互いに攻め込む中、磐田は35分にMF上原のFKをゴール正面でDFグラッサが合わせて逆転した。清水は攻撃が単調になり、攻め手を欠いた。
■ 主力温存せず、交代でリズム 清水に6年ぶり勝利
戦列を離れていた磐田の助っ人が決めた。後半35分、元清水のDF松原が倒されて獲得した左サイドのFK。キッカーのMF上原からボールを受けたDFリカルドグラッサが左足で合わせ、磐田サポーターの前で逆転ゴールを決めた。
全力を出し尽くした90分を戦い終えると、あおむけになったグラッサは「后(松原)とエビ(DF上夷)がブロックしてくれ、フリーになれた。極限の状況で取れた得点はこの勝利に関わったすべての人のおかげ」。コンディション不良で公式戦出場は1カ月ぶりで、医療スタッフへの感謝も述べた。
磐田のハッチンソン監督の演出も見事だった。清水戦のメンバー20人のうち、16人がJ2リーグ山形戦に出場していた。上夷とMF倍井は中3日で2試合連続先発だった。後半は主力を次々と投入。16分、MFジョルディクルークルスとMF角を投入すると、本拠地のボルテージは最高潮に達した。
「ローテーションも必要だが、きょうは勝てるメンバーを選んだ。クラブのため、ファンのためにサッカーをして、清水から6年ぶりの勝利を届けた選手を誇りに思う」と指揮官。J1復帰へのターニングポイントになるか。
■ 川崎が移籍後初得点
MF川崎が磐田移籍後初得点を決めた。後半8分、MF倍井の左クロスを頭で合わせて同点弾を決めると、サポーターの元へ向かって雄たけびを上げた。
「めちゃくちゃいいクロスだった。毎試合決定機があって取れなかったけど、静岡ダービーで取れるなんて」と川崎は喜びを隠さなかった。
移籍1年目の昨季はJ1リーグ戦1試合出場にとどまったが、今季はJ2リーグ8戦中7試合に途中出場。ただ、「ベンチの控え選手と思われたくない」とリーグ戦でもスタートからの出場を目指す。