まだ終わらない―「SAGARA FC初勝利」「ALA裾野の劇的逆転」S2残留争いは最終節、そして後期リーグへ <Sリーグ第9・10節結果>

降格圏2チームが掴んだ希望の勝ち点、運命の前期最終節へ―流れは変わるか

Sリーグ第9節・第10節が開催

5月10日、Sリーグ第9節・第10節が静岡県内各地で開催された。横井運動公園人工芝サッカー場ではS2リーグが行われ、S2所属全12チームが集結。白熱した戦いが繰り広げられた。

SAGARA FC、全員で守り抜き、執念で掴んだ価値ある1勝

ここまで勝ち点を奪えずS2・12位と苦しい戦いが続いていたSAGARA FCは、第10節でS2・7位のロプタ富士と対戦。体格差のある相手を前に、最後まで粘り強く戦い抜き、待望のリーグ初勝利を手にした。

体格差ある相手に粘り強く対応

ロプタ富士は前線、最終ラインともにサイズのある選手が揃い、SAGARA FCは押し込まれる時間帯も少なくなかった。ゴール前まで迫られる危ない場面もあり、失点の気配が漂うシーンもあったが、集中した守備で耐え続ける。簡単には崩れず、前半は0-0で終了。後半に入っても、選手たちは「なんとか勝ち点が欲しい」「勝ちたい」という強い思いを前面に出しながらプレーを続けた。

終盤に訪れた決定機

試合が大きく動いたのは後半終盤だった。相手ゴール前でPKを獲得すると、キッカーを任されたのは永井琉煌(るきあ)選手。

プレッシャーのかかる場面でも落ち着きを失わず、冷静にゴールへ流し込み、SAGARA FCが待望の先制点を奪った。その後も全員で身体を張り、最後まで集中を切らさず1点を守り切ったSAGARA FC。ついに掴み取った勝利に、試合終了の瞬間には大きな歓声が上がった。

北川監督「苦しさより楽しさが勝っていた」

試合後、SAGARA FC北川監督は、ここまで勝ち点を積み上げられなかった期間について振り返った。Sリーグ特有の強度や難しさは、選手たち自身も理解していたという。

その中で、毎試合ごとに「何ができたか」「何が通用したか」を振り返りながら、選手たちは少しずつ修正を重ねてきた。そんな選手たちの成長する姿を見続けてきたからこそ、「苦しさよりも楽しさの方が大きかった」と語った。

開幕当初から見ても、SAGARA FCの成長は明らかだった。個人技術だけでなく、球際の強さ、判断、連携といった“チームとしての強さ”が、試合を重ねるごとに増している印象だ。

積み重ねてきたものを信じ続けた

負けが続く中でも、チームがぶれなかった理由がある。北川監督は、これまで積み重ねてきたことを試合で表現することを何より大切にしてきたという。

選手一人ひとりが自分の特徴を理解し、チームとしても互いの良さを共有していく。違うことに逃げても結果や成長にはつながらない―そんな思いを持ち続けてきた。そして、その積み重ねが、この日の勝利という形で実を結んだのだ。

この1勝を、次への力に

待望の勝ち点3は、選手たちにとって大きな意味を持つ一勝となった。これまで続けてきたことが結果として表れたことで、選手たちにとって大きな自信につながるはずだと北川監督は話す。

そして、次節で前期リーグ最終節を迎える。この勝利をきっかけに連勝へつなげ、さらに自信を深めながら後期リーグへ向かっていく。後期に向けたチームの目標は“残留”。特別に突出した選手がいるチームではないからこそ、登録選手全員がピッチに立ち、それぞれが成長していくことを大切にしていくという。

全員で戦い、全員で成長する―SAGARA FCが掴んだこの1勝は、ここからの戦いへ向けた大きな一歩となった。

土壇場で試合をひっくり返したALA裾野。望月選手の劇的逆転弾で掴んだ歓喜の勝利

下位脱出へ向け、待望の白星

S2・11位のALA裾野は、第9節でS2・5位キューズFC浜松と対戦した。降格圏脱出へ向け、どうしても勝ち点3が欲しいALA裾野。一方のキューズFC浜松は、ポゼッションを重視したスタイルを武器に、県内公式リーグやカップ戦にも多く出場し、S2リーグも4年目を迎える経験豊富なチームだった。

ALA裾野はキューズFC浜松の細かいパス回しに対し、全員が粘り強くボールを追い続けた。守備の時間が続く中でも足を止めず、必死に食らいつきながら前半を0-0で折り返した。しかし後半、キューズFC浜松が先制。苦しい展開となったが、ALA裾野の気持ちは折れなかった。

仲間の声が支えた逆転劇

望月夏向(かなた)選手は「先制されても気持ちが折れなかったのは、仲間たちの声掛けがあったから。そして、逆境を力に変えられるのがALAの強みです」と試合後に振り返っていた。その言葉通り、ALA裾野は最後まで前を向き続けた。キューズFC浜松に先制を許したALA裾野だったが、そのわずか2分後に試合を振り出しへ戻す。ゴール前でのこぼれ球に素早く反応した望月選手が押し込み、貴重な同点ゴール。苦しい展開の中でも、ALA裾野はすぐに流れを引き戻してみせた。そして、ドラマは試合終了間際に待っていた。

ラスト数秒。ALA裾野がフリーキックのチャンスを獲得すると、ボールの前に立ったのは望月選手。放たれたシュートは、そのままゴールネットを揺らし土壇場で逆転。歓喜に包まれる中、直後に試合終了のホイッスルが鳴り響き、ALA裾野が劇的な勝ち点3を掴み取った。望月選手は「なぜか逆転できる自信があった」と笑顔を見せた。

“最高の母の日”となった劇的ゴール

この日は母の日。望月選手の劇的ゴールの瞬間、応援席ではお母さんが誰よりも大きな喜びを見せていた。試合後には、「最高の母の日のプレゼントになりました」と嬉しそうに語った。

ピッチで全力で戦う子どもたち。その姿を、喜びも悔しさも含めて一緒に味わう家族。そんな瞬間があるからこそ、小学生年代のサッカーは特別なのかもしれない。

最終節へ向け、さらに激しくなる残留争い

ALA裾野は第10節で初倉FCと対戦したが、2-6で敗戦。劇的勝利の勢いそのままに連勝とはならなかった。それでも、望月選手は「最終節は必ず勝って、いい流れで後期につなげたい」と前を向く。

苦しみ続けた降格圏2チームが、この日掴んだ価値ある勝ち点。その結果によって、S2リーグの残留争いはさらに混沌としてきた。運命の前期最終節。順位表は、まだ大きく動く可能性を残している。

取材:山下景子

S-1結果 

第9節

浜松和田JFC 0 – 1 バディFC
オイスカFC 1 – 4 Honda FC 
高部JFC 0 – 4 FCガウーショ
TOKAI SA 4 – 0 FC STELLA焼津
エスパルス三島 1 – 1 SEPALADA富士
清水エスパルス 2 – 2 SALFUS oRs

第10節

浜松和田JFC 3 – 2 Honda FC
オイスカFC 1 – 0 バディFC
高部JFC 2 – 1 FC STELLA焼津
TOKAI SA 2 – 4 FCガウーショ
エスパルス三島 3 – 1 清水エスパルス
SEPALADA富士 2 – 3 SALFUS oRs

S-2結果

第9節

藤枝東FC 0 – 3 静大附属浜松FC
藤枝明誠SC 0 – 1 カワイSC
ロプタ富士 3 – 0 蹴力HANASHI FC
GAREINO清水 4 – 0 SAGARA FC
キューズFC浜松 1 – 2 ALA裾野
初倉FC 2 – 0 アスルクラロ沼津

第10節

藤枝東FC 3 – 1 カワイSC
藤枝明誠SC 1 – 3 静大附属浜松FC
ロプタ富士 0 – 1 SAGARA FC
GAREINO清水 2 – 0 蹴力HANASHI FC
キューズFC浜松 2 – 4 アスルクラロ沼津
初倉FC 6 – 2 ALA裾野
シズサカ シズサカ

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