• X
  • Facebook
  • LINE

働きながら「世界」へ——一輪車日本記録保持者・石川由美さんが切り拓く、好きなことを諦めないキャリアと静岡からの挑戦

静岡市出身で一輪車「片足50m走行」の日本記録を持つ「ゆみきゃん」こと石川由美さんが、今年7月にオーストリアで開催される世界最大の一輪車大会「UNICON22」への出場を目指し、クラウドファンディングに挑戦している。静岡新聞社・静岡放送、松坂屋静岡店、クリエイターのえびちゃまが共同運営する「しずおかMIRUIプロジェクト」が、この挑戦を全力で応援する。マイナースポーツゆえの資金難、社会人として働きながら競技を続ける難しさ——そんな壁を競技人生27年間の中で乗り越えてきた石川さんの軌跡と、静岡から世界へ向かう熱い思いに迫った。

姉のひと言が、すべての始まりだった

石川さんと一輪車の出会いは、3歳のときに遡る。大道芸ワールドカップin静岡で一輪車のパフォーマンスを見た姉が「乗ってみたい!」と言ったことで、家に一輪車がやってきた。その後、小学校で配られた児童館の体験会のチラシをきっかけに競技の世界へ。もともとお姉ちゃん子だった石川さんは「お姉ちゃんに勝ちたい!」という負けん気から毎日一輪車に乗るようになり、気づけば本気の競技へと変わっていた。

それから27年。高校3年で全国大会女子総合優勝を果たし、「片足50m走行」では日本記録を樹立。2025年の全日本一輪車競技大会(トラックレース部門)では女子総合準優勝を獲得するなど、全国トップレベルの実力を維持し続けている。また大学時代には日本人として初めて台湾の演技大会にゲスト出演し、その後も複数回招待されるなど、国際的な評価も高い。

「そんなことやって何になるの?」社会人の壁

しかし、社会人になってからの道は険しかった。入社直後、競技を続けることへの理解を得られず、「そんなことやって何になるの?」と言われた経験もあると、石川さんは静かに振り返る。

「マイナースポーツは賞金もなくて、遠征費は全額自己負担。就職を機に辞めていく選手を、たくさん見てきました。でも私は、仕事も一輪車も、どちらも諦めたくなかった」

平日は仕事終わりの夜に練習し、休日はほぼ1日を競技に充てる生活を続けてきた。それでも世界大会への挑戦は、費用面と長期休暇の壁に阻まれ、何度も断念せざるを得なかった。

「家族が支えてくれたから、諦められない」

30歳の節目を迎え、ようやく長期休暇が取れる職場環境が整い、初めて本格的に世界大会を目指す決意を固めた石川さん。その背中を押したのは、家族への感謝だった。

毎日練習に送り迎えをしてくれた父、炎天下の中で記録を取り続けてくれた母、そして辛いときにそっと背中を押してくれた家族——。「ここまでしてくれたから、諦められない」と石川さんは語る。年齢のことを考えると、このチャンスを逃したらもう二度と同じ機会はない。その思いが、世界への挑戦を決意させた。

世界大会「UNICON」とは。実績に裏打ちされた実力

石川さんが挑む「UNICON(ユニコン)」は、2年に一度開催される世界最大の一輪車大会だ。2026年は7月24日〜8月7日の約2週間、オーストリア・シュタイアーで開催される。今大会では短距離レースとソロ演技の2種目に出場する予定。

レース部門は400m・100m・片足50m走行・30mタイヤ乗り走行の4種目の合計得点で総合順位が決まる、スピードだけでなく総合力が問われる競技だ。演技部門はフィギュアスケートのように音楽に合わせた技・表現力・構成が評価される。石川さんはソロ演技で中学2年から16年連続でファイナリストに名を連ねており、これは他に類を見ない快挙だ。

競技の傍ら、「静岡市茶っきり娘」「駿府の国美少女隊」「静岡いちご娘」「JAおおいがわ農産物PRユニット 茶果菜」のリーダーなど、静岡の農産物・文化をPRする地域活動にも長年携わってきた。「生涯現役」をモットーに、日本一輪車協会を通じた小学校での指導など、次世代の育成にも力を注いでいる。

「この指とまれ」——広がる共創の輪

石川さんがクラウドファンディングに挑戦する理由は、世界大会への遠征費(目標100万円・総費用は約120〜150万円の見込み)を集めるためだけではない。「社会人になっても競技を続けていいんだと思える選手を増やしたい」という切実な願いがその根底にある。

この思いに共感したMIRUIプロジェクトが支援を決めたのは、石川さんの挑戦が二つの社会的意義を持つと判断したからだ。一つは、スポーツに打ち込む人たちのキャリアの選択肢を広げること。「競技を続けるか、仕事に専念するか」という二択を迫られがちな現状に対し、「働きながら世界を目指す」という生き方を示したい。もう一つは、静岡におけるマイナースポーツの振興だ。注目される機会の少ない競技にスポットを当て、地域全体で応援する文化を育てることも、このプロジェクトが目指す姿だ。

クラウドファンディングのリターンには、イラストレーターとして活動する姉が描き下ろした限定グッズ(Tシャツ・キーホルダー)、中学生以下を対象とした個人レッスン、団体向けの一輪車レッスンなどを用意。世界大会のレース用Tシャツにスポンサー名・ロゴを掲載できる企業向けプランもあり、「一緒に世界という舞台で戦うパートナー」を募っている。「この指とまれ」の精神で、静岡の企業・個人の皆さんにこの挑戦への参加を呼びかけている。

静岡から、世界へ。夢を諦めないすべての人へ

「働きながら世界を目指せることを、証明したい」と石川さんは力強く語る。その言葉は、新しいことに挑むビジネスパーソンにも、将来を模索する学生にも、きっと響くはずだ。

静岡で活動し、静岡の魅力を発信し続けてきた彼女が、今度は静岡の皆さんの応援を背に世界へ向かう。ぜひ、石川さんの夢にあなたの思いを乗せてみませんか。

[クラファンの支援はこちら]
 石川由美さんのクラウドファンディングは「しずおかMIRUIプロジェクト」にて挑戦中です。詳細・ご支援はCAMPFIREのプロジェクトページをご覧ください。

役立ったらシェアお願いします 役立ったらシェアお願いします
  • X
  • Facebook
  • LINE
TOP