「何が入っているかわからない」をなくす!未知の化学物質を見つけ出し健康リスクも見える化する次世代分析技術!
ビジネス環境が激変する今、自社だけで解決できない課題はありませんか?しずコネでは、企業や地域と教育機関を繋ぎ、新たな価値を共創する産学連携コンテンツをお届けします。「難しそう」と思われがちな大学の素晴らしい研究シーズを、「ビジネスでどう使えるか?」「どんな社会課題を解決できるか?」という視点でわかりやすく紐解きました。「うちのこの技術と組み合わせたら面白いかも!」「この課題を一緒に解決したい!」と感じたら、それが連携への第一歩です。ぜひ、未来のビジネスを創る「予想外のつながり」を見つけてみませんか。
この研究・技術の「ここがスゴい!」
すべての有機成分を一度同じ形(メタン)に変えて測ることで、未知の化学物質もまとめて見つけ出せる新しい分析技術です。
毒性予測技術を組み合わせることで、見つかった化学物質が人体や環境にどの程度影響を与える可能性があるかまで見える化し、「どれに注意すべきか」を効率的に判断できます。
従来の分析では、調べたい化学物質ごとに事前の準備が必要で、そのために時間やコストがかかるため、あらかじめ対象を決めておく必要がありました。そのため、測定したい対象が増えるほど、分析にかかる時間や費用も大きくなってしまいます。
本技術では、事前の準備がほとんど必要ないため、調べる化学物質をあらかじめ決める必要がありません。そのため、時間や費用を大きく増やすことなく、空気や製品などに含まれるさまざまな化学物質をまとめて網羅的に分析することが可能です。
理想のパートナー・共創アイデア
再生プラスチックを扱う素材・製品メーカー
リサイクル材には多様な化学物質が含まれている可能性があり、その内容を事前に予測することが難しいため、幅広く調べようとすると時間や費用の負担が大きくなってしまいます。そのため、あらかじめ対象を絞って調べる従来の方法では、十分に対応することができません。本技術により、幅広い化学物質を効率よく把握することで、安全性の確認とコストの両立を図り、安心して使える再生プラスチックの提供につなげることができます。
自動車・住宅・建材・家具などのメーカー
人は生活の大部分を室内で過ごすため、空気の質は健康や快適性に大きく関わります。しかし、原因不明のにおいなどの問題も多く、従来の方法では測定前に原因となる物質を特定する必要があるため、十分に対応することが困難でした。室内空気にはさまざまな化学物質が含まれており、その全体像を把握すること自体が難しいのが現状です。本技術により、においの原因や未知の化学物質を網羅的に把握することで、より快適で安心な製品・空間設計の実現につなげることができます。
企業の品質保証・サステナビリティ部門
非意図的に混入・生成する化学物質は事前に予測することが難しく、問題が顕在化して初めて気づくケースが多いのが現状です。そのため、従来の方法では十分な対応が困難でした。本技術を活用することで、時間や費用の負担を抑えながら継続的に網羅分析を行うことができ、リスクの早期把握と未然防止が可能になります。さらに、蓄積されたデータをもとに過去に遡った原因究明も行えるため、サプライチェーン全体の安全対策やリスクマネジメントの強化につなげることができます。
生産者・食品メーカー
人の感覚では捉えきれない微妙な違いでも、化学物質を網羅的に分析することで、その差を科学的に明らかにすることができます。有効成分や特徴的な成分を幅広く把握できるため、製品の価値を客観的に示すことができ、品質の差別化やブランディングの強化につなげることが可能です。
これまでの連携実績・エピソード
車室内空気に潜む約200種類の化学物質を可視化!見えないリスクを明らかに!
トラックやバスの車内空気を採取し、約200種類に及ぶ化学物質を検出しました。その中には、これまで十分に把握されていなかった非意図的に生成・混入した成分も含まれており、車室内空間に潜むリスクの全体像を明らかにしました。これにより、車室内環境の改善や安全性向上に向けた具体的な検討につながる知見を得ています。
廃漁網リサイクルの安全性を見える化!より安心して使える資源循環へ!
モズク養殖用の廃漁網やマグロ漁用テグスの再資源化プロセスにおいて、残存する添加剤や非意図的に生成が予想される分解物も網羅的に評価しました。その結果、含まれる化学物質の実態やリスクの全体像を明らかにし、リサイクル材の安全性を科学的に確認しました。これにより、より安心して利用できる資源循環の実現に向けた基盤づくりに貢献しています。
知財情報
徳村 雅弘, 酒井 颯大, 化学物質の網羅的なリスクポテンシャル評価方法およびその評価システム, 特願2024-085477号.
執筆者
静岡県立大学 食品栄養科学部 環境生命科学科 物性化学研究室 徳村 雅弘 助教