古典文学・新聞・会計の力で社会を賢く生きる知性を鍛える
ビジネス環境が激変する今、自社だけで解決できない課題はありませんか?しずコネでは、企業や地域と教育機関を繋ぎ、新たな価値を共創する産学連携コンテンツをお届けします。 「難しそう」と思われがちな大学の素晴らしい研究シーズを、「ビジネスでどう使えるか?」「どんな社会課題を解決できるか?」という視点でわかりやすく紐解きました。「うちのこの技術と組み合わせたら面白いかも!」「この課題を一緒に解決したい!」と感じたら、それが連携への第一歩です。ぜひ、未来のビジネスを創る「予想外のつながり」を見つけてみませんか。
この研究・技術の「ここがスゴい!」
現代社会では、AIやインターネットによって情報は簡単に手に入るようになりました。しかしその一方で、社会や経済の動きを自分の頭で読み解き、判断する力が弱くなっているとも言われています。本活動では、読書・新聞・会計という三つの視点を組み合わせ、社会や企業の動きを理解する力を育てる教育に取り組んでいます。
読書では、人間や社会を深く理解するために古典文学を重視し、新聞では特に経済や企業に関する記事を中心に読み解くことで、社会や経済の動きを具体的に理解する力を養います。さらに会計の視点から企業の数字や経済の仕組みを理解することで、社会を立体的に読み解く力を育てていきます。

学びの場では、新聞記事を独自の方法で読み解きながら、企業の動きや社会の出来事を自分の言葉で考える習慣を身につけていきます。また、SQ3R読書法※(Survey・Question・Read・Recite・Review)などを活用し、主体的に読書を行う力を養っています。
長年にわたり何千人もの学生と向き合う中で、こうした学びを続けることで、学生の社会への関心や学びへの姿勢が大きく変わっていくことを実感しています。
※SQ3R読書法は、アメリカの心理学者フランシス・ロビンソンが考案した、5つのステップ(調査・質問・読む・暗唱・復習)で能動的に本を読む学習法です。目次や見出しを全体的に見渡し(S)、疑問を立てて(Q)、答えを探しながら読み(R)、要約し(R)、復習する(R)ことで、理解と記憶を深める効果がある。
さらに、ファイナンシャル・プランナーとしての視点から、会計や税金、金融リテラシーを通して人生設計を考える力を育てることにも取り組んでいます。日本では金融教育が十分に行われてこなかったとも言われ、近年ようやく高校などでも金融教育が始まりつつありますが、社会人の中にも自分のお金や将来設計について学ぶ機会が少ないのが現状です。
そのため、社会や経済の動きを理解する力とともに、自らの人生や家計を主体的に考える金融リテラシー教育の重要性を強く感じています。
読書・新聞・会計を通して社会を読み解く力を育てるとともに、自らの人生や家計を主体的に考える力を養い、変化の大きい時代を知的に自立して生きる力を育てていきたいと考えています。情報に流されるのではなく、自ら考え判断し、社会と人生を主体的に読み解く力こそが、これからの時代を賢く生きるための大切な「武器」になると考えています。
理想のパートナー・共創アイデア
本活動では、社会や経済の動きを読み解く力を育てる教育を通して、人材の思考力や判断力を高めることを目指しています。そのため、以下のような課題や関心を持つ企業や団体との連携を期待しています。
☆社員の思考力や判断力を高めたい企業
☆若手社員や管理職の視野を広げたい企業
☆金融リテラシーや人生設計教育に関心のある企業
☆社会や経済の動きを理解する力を社員に身につけさせたい企業
例えば、読書・新聞・会計を活用した思考力トレーニング型の教育プログラムや、社会や企業の動きを読み解くための知的研修プログラムを企業と共同で開発することが考えられます。
また、大学と企業が協力し、学生と社会人が共に社会の出来事や企業活動を読み解くような学びの場をつくることにも関心があります。こうした取り組みを通して、企業で働く人が社会の変化を読み取り、自ら考え判断できる力を育てるとともに、大学教育と社会人教育の新しい連携の可能性を広げていきたいと考えています。
これまでの連携実績・エピソード
大学での教育活動に加え、地域社会との知的交流として、静岡商工会議所での講演会やファイナンシャル・プランナー向け継続研修会などにおいて、会計や金融リテラシーに関する講演を行ってきました。

経営者やビジネスパーソンを対象とした講演では、「孤独は武器になる―会計と読書で鍛える知性」をテーマに、読書や会計を通して社会を読み解く視点についてお話ししています。講演後には、「ニュースや決算書の見方が変わった」「読書の意味を改めて考えるようになった」といった声をいただくこともあり、読書や会計が思考を深める重要な手がかりになることを実感しています。
今後も、「静岡市」主催の大学リレー講演会(2026年11月予定)や、「静岡FP協会」教育資金をテーマとしたミニセミナー(2026年12月12日確定)などを通して、大学の知見を地域社会へ発信していく予定です。
知財情報
本活動は教育・社会連携を中心とした取り組みであり、特許等の知的財産の取得はありません。
執筆者
静岡英和学院大学・人間社会学部・経済経営メジャー 金 承子 教授