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全国5位の輝き 静岡市の夜景眺めてみませんか?

 夜景観光に取り組む都市を評価する夜景都市ランキングで、静岡市が5位に選ばれました。官民連携の観光振興が評価されたということです。市は今年度、駿府城公園の夜間景観整備に着手予定。周辺の商業施設やホテルなどへの経済効果も期待し、「夜観光」に力を入れます。静岡市の夜景を活かした取り組み、日本夜景遺産に認定されたスポットもご紹介します。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・石岡美来〉

静岡市の夜景、過去最高5位 官民連携の観光振興が評価

 夜景観光に取り組む全国の都市を評価する夜景観光コンベンション・ビューローの夜景都市ランキングで、静岡市が過去最高の5位に選ばれた。夜景を活用した官民連携の観光振興などの活動が評価されたとみられ、前回の10位から順位を上げた。

日本夜景遺産に認定されている静岡市清水区のエスパルスドリームプラザ観覧車の夜景(市提供)
日本夜景遺産に認定されている静岡市清水区のエスパルスドリームプラザ観覧車の夜景(市提供)
 同ビューローが2015年から3年に1度行う取り組み。全国の夜景鑑賞士に実施したアンケートの結果を基にポイントを付け、上位3都市は「日本新三大夜景都市」に認定される。今回は1位北九州市、2位札幌市、3位長崎市だった。
 静岡市では日本平や葵区の梶原山公園、清水区のエスパルスドリームプラザ観覧車が日本夜景遺産に認定されている。市は20年に市内約40カ所の夜景の特徴や改善点を調査し、21年には夜景観光に特化したウェブサイトを開設した。観光、交通の事業者が夜景を楽しむツアーを企画するなど、官民連携の観光振興に力を入れている。
 1~3位の3都市は前回(18年)も上位を独占した。4位の神戸市も含め、静岡市と上位とのポイント差は大きく、市観光・MICE推進課の担当者は「今後、より多くのスポットに光を当てて静岡の夜景のブランド化を図り、上位に食い込んでいきたい」と話した。
〈2022.4.7 あなたの静岡新聞〉

駿府城周辺をライトアップ 「夜観光」強化へ 市22年度予算案

 静岡市は代表的な観光地の一つ、駿府城公園エリア(葵区)の夜間景観整備に着手する。2023年1月の歴史博物館の開館を見据えて観光客の滞在時間延長を促し、夜の消費活動「ナイトタイムエコノミー」の活性化につなげる。14日(※2022年2月)発表した22年度当初予算案に事業費1億3900万円を計上した。

駿府城公園の夜間景観整備イメージ(石井幹子デザイン事務所提供)
駿府城公園の夜間景観整備イメージ(石井幹子デザイン事務所提供)
 エッフェル塔の照明デザインなどで知られる世界的照明デザイナー石井幹子さんと連携して、博物館に近接する巽櫓(たつみやぐら)や東御門、石垣などをライトアップする。既存の簡易ライトから照明機器を大幅に拡充し、周辺の照明とも調和を図る。駿府城公園の歴史的価値や建造物の美しさを生かした静的な演出がコンセプト。基本色は白で、イベント開催時には色の変化も楽しめるようにする。22年度中の整備完了を目指す。
 博物館が開館する23年には徳川家康を主人公にしたNHK大河ドラマ「どうする家康」が放送予定で、市は「誘客拡大の好機」(観光・MICE推進課)と期待を寄せる。駿府城公園エリアを訪れる観光客の増加を見込み、26年度にかけて駿府城跡天守台野外展示や坤(ひつじさる)櫓などにも照明機器を順次整備していく計画だ。
 静岡市は現状、日帰り観光客が多いため、夕食や宿泊需要を掘り起こす狙いもある。市によると、19年度に同市を訪れた観光交流客数のうち、宿泊客は1割以下にとどまった。新型コロナウイルスの収束を見据えて駿府城公園エリアに人を呼び込む仕掛けをつくり、周辺の商業施設や商店街での飲食や買い物、ホテルへの宿泊などを通じて地域経済の活性化を目指す。
 市内では清水区の日本平やエスパルスドリームプラザ観覧車、葵区の梶原山公園が日本夜景遺産に認定されている。市はナイトタイムエコノミーの拡大に向け、イベント開催や情報発信にも力を入れる。
〈2022.2.14 静岡新聞夕刊〉

静岡の観光活性化の鍵 「ナイトエコノミー」って何?

 午後6時ごろから翌朝午前6時ごろまでの夜間に行われる経済活動。宿泊や飲食、体験消費、交通など幅広い分野への波及効果をもたらすとして、訪日外国人観光客の増加をきっかけに注目が集まった。日本は海外に比べて夜間の娯楽サービスの旅行消費額が低いとされ、国は地方創生や交流人口拡大につながるとして取り組みを進めている。

〈2022.2.14 静岡新聞夕刊〉

静岡市自慢の夜景 のぞいてみましょう

 ■日本平が2016年に認定 パノラマが高評価

 日本各地の魅力的な夜景を観光資源として認定している「夜景観光コンベンション・ビューロー」(東京都)は3日、2016年度の新たな「日本夜景遺産」に静岡市の日本平を認定したと発表した。
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日本夜景遺産に認定された日本平の夜景(日本平観光組合提供)

 同ビューローによると、本年度は全国から90カ所余りの応募があり、現地視察や夜景検定1級の有資格者による投票を経て、日本平を含む8カ所が認定された。日本夜景遺産は全国で計212カ所。日本平は、天候によって現れる霊峰富士山と海岸線を望めるパノラマが高評価を得たという。
〈2016.8.5 静岡新聞朝刊〉

 ■梶原山公園とドリプラ観覧車 2019年に認定
 静岡市は5日、同市葵区の梶原山公園と、同市清水区のエスパルスドリームプラザ観覧車「ドリームスカイ」が、2019年度の日本夜景遺産に認定されたと発表した。市内で認定を受けるのは16年度の日本平以来。今回の2カ所を加え、県内では9カ所目の認定となった。
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梶原山公園の夜景(静岡市提供)
 
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エスパルスドリームプラザ観覧車「ドリームスカイ」の夜景(静岡市提供)

 日本夜景遺産は夜景観光コンベンションビューロー(東京都)内の日本夜景遺産事務局が04年から毎年、認定している。日本各地に埋もれている美しい夜景を観光資源としてPRするのが狙い。
 葵区と清水区の境に位置する梶原山公園は標高279メートルの山頂にあり、360度見渡せる大パノラマが魅力。ドリームスカイはエスパルスドリームプラザ内に08年に整備され、七色のグラデーションが幻想的な海辺の夜景を創出している。
〈2019.9.6 静岡新聞朝刊〉
地域再生大賞