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ラグビー・リーグワン開幕 挑む静岡ブルーレヴズ

 ラグビーの新リーグ、NTTリーグワンが8日開幕しました。企業色の強かったトップリーグを刷新して3部制で行われます。1部の静岡ブルーレヴズは9日、トヨタとの開幕戦に臨みます。元日本代表の五郎丸歩さんがフロント入りし、ファン拡大に取り組むチームの魅力に迫ります。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・寺田将人〉
 ※9日予定の開幕戦は新型コロナウイルスの影響で中止となりました。(9日追記)

庄司、奥村ら若手に期待 前身ヤマ発時代のスクラムと守備に磨き

 ラグビーのリーグワン1部静岡は9日、トヨタと敵地の豊田スタジアムで開幕戦に臨む。チームは7日、ヤマハ大久保グラウンドで最終調整した。直前に新型コロナウイルス感染者が確認されたこともあり、同日に予定されていた報道陣への練習公開は急きょ中止となる厳戒態勢の中で汗を流した。

開幕戦に向けて最終調整する選手たち=ヤマハ大久保グラウンド(チーム提供)
開幕戦に向けて最終調整する選手たち=ヤマハ大久保グラウンド(チーム提供)
 先発には新人のフランカー庄司、WTB奥村ら期待の若手が名を連ねる。ナンバー8には元豪州代表のナイサラニが入った。開幕戦でぶつかるトヨタは日本代表のフランカー姫野をはじめ、タレントぞろいだ。
 堀川監督はチームを通じ「トヨタは大型FWが多く、80分間タフな試合になる。大きなチームに対して自分たちの優位性であるスピードを生かして、局面ごとに数で上回るハードワークが必要」とコメント。球を積極的に前に動かす新たなスタイルを模索しながら、前身のヤマハ発動機時代から大切にするスクラムと守備に磨きを掛けてきた。
 元日本代表の五郎丸と山村が昨季限りで現役引退し、ヘルも移籍しチームを去った。チームの大黒柱で南アフリカ代表のフランカーのスミスも合流が遅れている。ロック大戸主将は「メンバーは昨季から変化が多いが、いい準備ができた。勝ってチームの歴史をスタートしリーグワン初代チャンピオンに向けて前進したい」と強調した。
 〈2022.01.08 あなたの静岡新聞〉

ファン獲得へ フロント入りの五郎丸歩さんも奔走

 2022年1月に開幕するラグビー新リーグ、リーグワン1部の静岡ブルーレヴズ(BR)が、あの手この手でファン拡大に取り組んでいる。前身のヤマハ発動機(磐田市)から独立してプロとなった新チームにとって、売り上げを支えるファンの獲得は重要課題だ。

飲食店にポスターを貼る五郎丸歩さん=12月初旬、浜松市内
飲食店にポスターを貼る五郎丸歩さん=12月初旬、浜松市内
 12月初旬。JR浜松駅前に、そろいの上着を着たチームフロントのメンバーが集まった。地元戦をPRするポスターを飛び込みで飲食店などに配りながら、営業活動をするのが目的だ。山谷拓志社長(51)は「まだチーム名が知られていない。ポスターで知ってもらいたい」と狙いを語った。
 今年春で現役引退した元日本代表の五郎丸歩さん(35)がフロント入りした。新チームは知名度の高い五郎丸さんを前面に押し出して営業やイベントを進める考えだ。
 1月の地元戦に合わせ、五郎丸さんが考案した高級宿泊施設を利用した観戦チケットを売り出した。1人6万円以上でもすぐに完売したという。地元開幕戦を満員にするという目標を掲げる五郎丸さんは「準備は順調。新たなファンを取り込んでいきたい」と自信をのぞかせる。
 さらに、乗用車にチームを応援するステッカーを貼って、県内を走り回る協力者300人を募集した。走行距離に応じて特典が獲得できる仕組みだ。
 選手の意識も変化が生まれた。大戸裕矢主将(31)は新チームに移行後、選手同士でチーム運営について話し合う機会が増えたと明かす。「(経営面の)責任は選手にもある。以前のように企業があるからではなく、責任を持ちグラウンド外で行動したい」と話す。
 〈2021.12.28 あなたの静岡新聞〉

スポーツでリアルな感動体験を 山谷拓志社長インタビュー

 ラグビー新リーグのリーグワン1部、静岡ブルーレヴズ社長に6月就任した。プロバスケットボール球団経営者から転身。今後のクラブ運営や目指すチームのあり方について考えを聞いた。

山谷拓志氏
山谷拓志氏
 
 -就任の経緯は。
 「昨年11月に初めて打診をいただいて、何度かお断りした。ラグビーのプロ化は経営面からみても人件費が膨大で厳しいと思っていたが、新しいチームが独立して分社化すると聞いた。チームをゼロからつくる経験が、新チームの運営に生かせると思った」
 -どんなクラブ運営を目指すか。
 「初年度の売上高は20億円を見込む。スポンサー収入が柱になるが、県内の主要企業を回り、支援に前向きな企業が多い。今はコロナ禍で人が密になって集まれない。スポーツビジネスは不利かもしれないが、リアルな感動体験を欲している。スポーツに予定調和はない。コロナが正常化するまで耐え、デジタルテクノロジーを駆使してハイブリッドに対応したい」
 -フロント入りした五郎丸歩氏に期待は。
 「ファンや企業、行政などステークホルダーと呼ばれる人たちとの関係を作っていくのがプロの役割。彼の実績や知名度を踏まえチームに関心を持ってもらいたい。チケットの企画や集客を任せている。来年1月開幕の最初のホームゲームを満員にと使命を出している。そこに向けて営業する地道な仕事。スポーツビジネスに関わるならば実務経験は欠かせない」
 -県内はサッカーやバスケットボールなどライバル競技が多い。
 「共存共栄していく。サッカーのジュビロ磐田はもともとコラボしている。アイスタ日本平でラグビーの試合を計画している。清水エスパルスを訪問し、何かできることを一緒にと話した。ただ違いはJクラブは4チーム、バスケットは2チームあるが、ラグビーは県内唯一のプロチーム。オール静岡で盛り上げたい」
 -これまでの経験値をどう生かすか。
 「バスケットとラグビーでは選手の数が違う。ラグビーは50人程度が必要。バスケはタイムアウトなどの合間があり小さなコートでやるので演出が映える。ラグビーには伝統や“らしさ”がある。演出は押し付けではなく、ファンが自然にのめり込めるようにしていければいい」
 
 やまや・たかし リクルートなどでの勤務を経て2007年、バスケットボールの宇都宮ブレックス運営会社社長に就任。14年からは茨城ロボッツ運営会社社長を務めた。51歳。
 〈2021.09.26 あなたの静岡新聞〉
 

開幕戦は神戸と浦安が対戦 当初の開幕試合はコロナで中止

 ラグビーの新リーグ、NTTリーグワンは8日、神戸市の神戸ユニバー記念競技場で、1部A組の神戸と浦安が対戦し、開幕した。

開幕したラグビーの新リーグ、NTTリーグワンの神戸―浦安戦=8日、神戸ユニバー記念競技場
開幕したラグビーの新リーグ、NTTリーグワンの神戸―浦安戦=8日、神戸ユニバー記念競技場
 トップリーグを刷新して3部制で行われ、1部は12チームで争われる。レギュラーシーズンは5月まで各16試合を実施。上位4チームがプレーオフに進み、初代王者を決める。
 当初、開幕試合として7日に予定されていた1部A組の東京ベイ―埼玉は、埼玉に新型コロナウイルスの陽性者が出た影響で、5日に中止となった。
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