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菊川市ウィークリー

 お疲れ様です。日曜の夜は「あなたの静岡新聞」ニュースデスクから、静岡県西部の市や町をピックアップしてニュースや話題のまとめをお届けします。今夜は新茶シーズンを迎えて盛り上げるお茶どころ、菊川市に注目! 頭に湯呑みを乗せているマスコット「きくのん」がかわいい☆彡
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

深蒸し菊川茶で来庁者もてなし 5月7日まで市茶業協会

 菊川市茶業協会は27日、市役所本庁舎と中央公民館で新茶の呈茶サービスを始めた。新茶シーズンを盛り上げようと、来庁者を深蒸し菊川茶でもてなした。

新茶シーズンに合わせて深蒸し菊川茶をPRする茶娘ら=菊川市役所
新茶シーズンに合わせて深蒸し菊川茶をPRする茶娘ら=菊川市役所
 市役所ロビーには呈茶コーナーを設置し、JA遠州夢咲河城支店の有志が協力して呈茶した。初日は茶娘や市マスコット「きくのん」、市茶業協会会長の長谷川寛彦市長が参加して来庁者に菊川茶をアピールした。同協会によると今年の新茶は味が乗っていて香りも良いという。
 昨年はコロナの影響で呈茶を行わなかったが、今年は手袋をするなど感染予防対策を徹底して実施した。市役所本庁舎では5月6、7日も行う。
 (2021/04/28)

あんパン? まんじゅう? 菊川・丸松製茶場「きくのんのおやつ」

 菊川市の丸松製茶場は9日、市マスコット「きくのん」をイメージしたお菓子「きくのんのおやつ」の販売を開始した。粉末加工した茶葉を練り込んだ特製お茶あんをパン生地で包んだお菓子で、あんパンのような、まんじゅうのような不思議な食感を楽しむことができる。既に販売している菊川茶で作った「きくのんの深蒸し茶」と同じ原料を使用した。企画担当の藤江由加里さんは「きくのんが3時のおやつとして食べているのをイメージして作った」と話した。

菊川茶を使ったお菓子「きくのんのおやつ」=菊川市のサングラムカフェ
菊川茶を使ったお菓子「きくのんのおやつ」=菊川市のサングラムカフェ
 お菓子は1個195円(税込み)。3個セットや、きくのんの深蒸し茶とお菓子6個のセットも販売中。サングラムカフェ菊川店とJR菊川駅のベルマートキヨスク菊川で販売している。
 (2021/04/10)

お茶愛♡ツイート人気、ヒーロー「茶神888」 菊川出身芸術家らが生みの親

 日本茶の文化を盛り上げる静岡県生まれのヒーロー「茶神888(サジンハチジュウハチヤー)」がツイッターで静岡県内の茶園やお茶の魅力を紹介しながら、八十八夜までのカウントダウンを続けている。

茶園の協力でカウントダウン用の写真を撮影する茶神888(右)と岡あつしさん
茶園の協力でカウントダウン用の写真を撮影する茶神888(右)と岡あつしさん
 2020年5月2日の「八十八夜まであと364日」のツイート以降、県内各地に現れては茶園でポーズを取る自身の画像と共に、超ポジティブなせりふをつぶやき、茶園を取り巻くさまざまな人や景色の魅力を発信している。
 ユニークなツイートの合間にお茶への愛情を大真面目に語る誠実さも人気の理由。
 <茶の良さの一つは『こうじゃなきゃダメ』が少ない所だ。蒸したり、いったり、発酵させたり、粉にしたり、試したことない角度はないのではなかろうか。しかもそのどれにも先人が、名手がいて美味しくするのはたまらんね>
 <茶畑で花があると美しいかもしれん、しかし散った花が灰色かび病という病気をもたらす事がある。人の手の茶園には花が少ない理由の一つだ>
 こうしたツイートに1万人を超すフォロワーも即座に反応し、交流を楽しんでいる。
 神出鬼没のヒーローに帯同し写真撮影するのは、〝相談役〟の岡あつしさん。元県職員で、茶業農産課長などを務めた。「ツイートを通し、今までアプローチが難しかった全国の若い世代が茶文化に興味を持ってくれている」と手応えを口にする。
 「対面イベントも無くなる中、少しでも新型コロナウイルス禍の茶業界の役に立ちたかった」と茶神888。「お茶シーズンだけ注目されがちな茶産地の様子を1年間を通じて全国に発信できた。実際にお茶を買ってくれた方がいたのがうれしかった」と振り返る。
 八十八夜当日はツイッター上で別の試みを用意しているという。

 ■茶神888(サジンハチジュウハチヤー)
 2009年、いずれも当時20代だった菊川市出身の芸術家、野中迪宏さんと掛川市の蔵下大さんのコンビが生み出したご当地ヒーロー。大型店や劇場でのヒーローショーや幼稚園・保育園へのお茶の寄贈、飲酒運転根絶の取り組みなど、さまざまな活動を通して日本茶や茶文化の魅力を発信している。12年に世界緑茶協会のO-CHAパイオニア賞受賞。決めぜりふは「飲もうぜ、お茶!」。
 (2021/04/24)

京アニ元社員 菊川出身・大村さんの絵本出版 家族「生き続けること願い」

 菊川市出身の元京都アニメーション社員大村勇貴さんが常葉大在学中に創作した「うーちゃんのまつざき」を大村さんの家族が絵本にして静岡新聞社から自費出版した。15日から静岡県内主要書店で販売している。作品が生んだ人々のつながりを形として残し、広げようと思いを込めた。

絵本を手にする杉山直康さん。図書室で紹介コーナーの開設準備を進めている=掛川市の掛川工業高
絵本を手にする杉山直康さん。図書室で紹介コーナーの開設準備を進めている=掛川市の掛川工業高
 主人公の幼児が松崎町で出会った不思議なキャラクターたちと家族を探す物語。大村さんは2019年の京都アニメーション放火殺人事件で23歳の若さで命を落としたが、翌年家族が開いた遺作の展覧会で作品が持つ温かさが注目を集め、書籍化を望む声が多数寄せられていたという。
 掛川市の高久書店店主高木久直さん(50)は昨秋、大村さんの家族から自費出版の方法を尋ねられ、相談に応じてきた。同町出身で作品に縁を感じていた高木さんは、発売決定を受けて店に自作のポップを掲出。「SNSですぐ十数冊の予約が入った。発売を待っていた人が多い」と反響の大きさを説明した。
 大村さんの母校、掛川工業高の杉山直康図書主任(54)は図書室に大村さんの紹介コーナーを常設しようと準備中。届いた絵本を手に「代々読み継ぎ、夢を追いかけた大村君の思いをみんなで胸に残したい」と話した。
 大村さんの家族は菊川市や松崎町の学校などに、メッセージを添えて絵本を届けた。松崎町企画観光課の深沢準弥課長(53)は「町の文化的遺産を描いてもらえてありがたい。ずっと大切に活用したい」と作品への感謝を語った。B5判24ページ。税込み1100円。

 大村さんの家族が絵本の寄贈先に届けたメッセージは次の通り。(要旨)
 この絵本を読み聞かせや絵の資料としてご活用いただき、皆様に愛され語り継がれることで、永遠に皆様の胸の内に息子が生き続けていくことが私たち家族の願いです。そして、夢を実現するために努力することの大切さを伝えていただければと思います。絵本に登場する風景、物が松崎町に存在していますので、描いた景色を見に、ぜひ一度足を運んでいただき、松崎町と菊川市の交流が深まれば幸いです。
 (2021/04/16)
地域再生大賞