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「ポポ」ありがとう 掛川花鳥園のアイドルフクロウ、天国へ

 掛川花鳥園で大人気だったアフリカオオコノハズクの「ポポ」が20歳で天国へ旅立ちました。花鳥園が開園した年に来園し、体を細くしたり、大きく見せたりと、“変身”する愛らしい姿でアイドル的存在でした。人気は静岡県内にとどまらず、全国から大勢のファンに愛されてきました。追悼の意を込めて、ポポが引退した時の様子や生前の活躍をまとめます。

「いつまでも大好きです」 園内に献花台設置

 掛川花鳥園(掛川市南西郷)の知名度を全国区に押し上げたアフリカオオコノハズクの「ポポ」が1月下旬、老衰で死んだ。20年にわたって愛されたポポをしのび、同園は献花台を設置した。設置後最初の週末になった3日は大勢のファンが訪れ、併設のスケッチブックに「天国でも元気でいてね」「いつまでも大好きです」などとメッセージをつづった。

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大勢の来園者が訪れる献花台=掛川市南西郷の掛川花鳥園
 

 同園によると、スタッフが1月23日朝、死んでいるのを確認した。17、18年とされる小型フクロウの寿命を超える20歳だった。同園が開園した2003年に仲間に加わって以降、一度も病気をしたことがないほど健康で、前日も普段通りに餌を食べていたという。
 来園後、ポポは多くのイベントに出演してきた。体を細くしたり翼を広げて大きく見せたりする姿がテレビ番組で話題になり、同園を代表するアイドルになったが、老化による視力低下などを理由に21年に現役を引退してバックヤードで余生を送っていた。
 献花台の設置は2月末まで。同園で動物の飼育管理を統括する北條龍哉さん(43)は「入社直後から一緒に過ごしてフクロウとの付き合い方を学ばせてもらった。『お疲れさま。よく頑張ったね』と言いたい」と深い感謝を口にした。
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アフリカオオコノハズクのポポ(掛川花鳥園提供)
 
〈2024.02.03 あなたの静岡新聞〉

掛川花鳥園、人気の立役者 “変身技”で全国からファン

 掛川市南西郷の掛川花鳥園が20日、開園20年を迎える。2003年に開園し、全国から年間30万人以上が来園する人気テーマパークに成長した。その立役者となった1羽が、アフリカオオコノハズクの「ポポ」。草創期から人気を集め、園の知名度を全国区に押し上げた。19歳になった今は展示の場から退き、バックヤードから園の盛況ぶりを静かに見守る。

ポポとバディを組みイベントに参加してきた北條龍哉さん=9月上旬、掛川市南西郷の掛川花鳥園
ポポとバディを組みイベントに参加してきた北條龍哉さん=9月上旬、掛川市南西郷の掛川花鳥園
 ポポは03年に入園し、来場者の腕に乗るイベントに多く出演してきた。体を細くしたり羽を広げて大きくしたりして“変身”する姿がテレビ番組に取り上げられ一躍有名になった。ポポを見るために毎月、都内から通うファンもいたという。
 ポポとバディを組み、ふれあいイベントをしてきた同園バード統括の北條龍哉さんによると、ポポは人見知りをしない好奇心旺盛な性格。猛禽(もうきん)類に慣れない飼育スタッフは、まずポポに触れてフクロウの扱いを学んできたという。北條さんは「ポポがいなかったら今の花鳥園はない。長生きしてほしい」と感謝する。
 視力低下など老化の兆候が出始めたため、ポポは20年に現役を引退。園ではハシビロコウの「ふたば」やヘビクイワシの「キック」など、人気者の後輩も育った。坂田忠男園長は「ポポをはじめとして、花鳥園にアイドル的存在は不可欠。今後も発信力を高め、新しい園の姿を提示していきたい」と意欲を語った。
 (掛川支局・山本萌絵佳)

 <メモ>掛川花鳥園は花と鳥のふれあいを楽しめるテーマパークとして2003年に開園した。鳥はフクロウやインコ、ペリカンなど約100種類600羽、植物は約100品種1500鉢がそろう。
 園内では鳥が自由に飛び交い、参加型のショーも行う。天井からペチュニアやインパチェンスなど約800鉢の花をつるした「花温室」はどの季節に来ても満開になるよう温度調節などに気を配っている。
 園は20周年に合わせ、記念企画やペンギンプールのリニューアルを予定する。
〈2023.09.19 あなたの静岡新聞〉

引退を発表したのは2020年

※2020年11月03日静岡新聞朝刊より

来年3月に卒業することを発表したアフリカオオコノハズクの「ポポ」=掛川市の掛川花鳥園
来年3月に卒業することを発表したアフリカオオコノハズクの「ポポ」=掛川市の掛川花鳥園
 掛川市の掛川花鳥園はこのほど、「変身するフクロウ」として人気を集めるアフリカオオコノハズクの「ポポ」が来年3月28日に、展示から“引退”すると発表した。長年、来園者を迎える第一線にいたが、17歳(人間だと70代)で高齢となり、体調などを考慮して人目から離れて静かに過ごすことにした。
 ポポが園に来たのは花鳥園が開園した2003年。10センチほどの体の幅が威嚇をすると羽を広げ30センチほどになり、警戒すると半分くらいの細さに変化する姿は、数々のテレビ番組に取り上げられた。
 29日、17歳の誕生日を迎えたことを機に決めた。3年ほど前から羽を大きく広げることはなくなり、細くなるのも週1回程度となった。最近は視力も落ちてきたという。
 バードスタッフ統括の北條龍哉さん(40)は新卒で花鳥園に就職し、最初に飼育に携わったのがポポだった。「喜怒哀楽のはっきりとした性格で人前では度胸があった。ポポと一緒に成長できた」と振り返った。
 ポポの展示場所には寄せ書きノートを11月8日まで設置する。1月1日からはポポの写真を展示する企画を、引退当日はセレモニーをそれぞれ行う予定。

たくさんのイベントに登場! 大井川鉄道のSLにも

※2016年04月25日静岡新聞朝刊より

SLの前でペンギンとフクロウとの写真撮影を楽しむ親子=島田市の大井川鉄道新金谷駅
SLの前でペンギンとフクロウとの写真撮影を楽しむ親子=島田市の大井川鉄道新金谷駅
 大井川鉄道(本社・島田市)は24日、掛川花鳥園のペンギンとフクロウを乗せた蒸気機関車(SL)を運行した。多くの家族連れが動物と記念写真を撮るなどして、楽しいひとときを過ごした。
 乗車したのは、掛川花鳥園の顔として活躍する頭の癖毛がかわいらしいケープペンギン「ゆず」と、大きな目が特徴のミナミアフリカオオコノハズク「ポポ」。ゆずは「一日駅長」と書かれたタスキを掛け、新金谷駅の改札前でポポと一緒に乗客を出迎えた。
 SLは、客席の半分が荷物車になっている客車「オハニ36」と連結した。乗客はオハニ36内の特設スペースで、動物と写真撮影をするという不思議な空間を満喫。川根本町の千頭駅では、動物と触れ合う時間も設けられた。
 静岡市駿河区から家族4人で訪れた尾ケ井健光君(3)は「大好きなペンギンと写真が撮れた」と笑顔を見せた。
 掛川花鳥園の八木裕幸営業部長は「地域の活性化につながればと思う。旅の思い出として心に残ってもらえたらうれしい」と話した。
地域再生大賞