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プロ野球2軍が活性化の起爆剤に? 静岡市清水区庵原地区

 東名高速道の清水インターチェンジ(IC)や新東名高速道の清水いはらICなど車移動の要所を持ち、かんきつ類などの農作物生産が盛んな静岡市清水区の庵原地区。今季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の本拠地となる清水庵原球場「ちゅ~るスタジアム清水(ちゅ~るスタ)」を核に、地域活性化の機運が高まりつつあります。そんな庵原地区の最近のホットな動きをまとめました。

2005年完成の清水庵原球場 ⚾ハヤテの本拠地に

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上空から見た清水庵原球場=2023年11月、静岡市清水区庵原町(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
上空から見た清水庵原球場=2023年11月、静岡市清水区庵原町(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
 静岡市清水区の新東名高速道清水いはらインターチェンジ(IC)のほど近く。走らせる車の窓を開けると聞こえてくる球音の元を探せば、高台の上にナイター照明の設備が見えた。同区初の市営球場として作られた清水庵原球場だ。完成以来、高校野球をはじめ多くの試合が行われてきた球場は、来季からプロ野球の2軍ウエスタン・リーグに参入が内定している「ハヤテ223(ふじさん)」の本拠地となる。
 同球場が完成したのは2005年。内野固定席4千人、外野芝生席6千人、ナイター照明6基の設備を備え、小学生から社会人までのさまざまな大会で使用されてきた。旧清水市時代、静岡県内の主要な市では珍しく、地元に本格的な球場がなかったため、大きな大会の誘致が難しかった。「子どもたちがレベルの高い試合を見ることが難しい状況を変えよう」と地元の野球関係者らが署名を集めるなどして市に働きかけ、建設に至ったという。
 芝生は冬でも緑になるよう整備。国内の球場全体でもさほど多くないという。9月の後半に冬芝の種をまくと、夏の芝が枯れてくるころには青い冬芝が育つ。選手が気持ちよくプレーでき、キャンプやプロ野球選手の自主トレなどでも利用され、年間250日ほど稼働している。
 「ハヤテ223」の本拠地化を受け、日本野球機構(NPB)仕様に合わせて防球フェンスの新設やネットのかさ上げなどの施設改修が実施される予定だ。「プロ選手の一流のプレーを間近で見ることで野球はもちろん、スポーツをやりたいと思う子どもたちが増えてくれたらと思う」と関係者らが期待を込め、受け入れ体制を整える同球場。その歴史に新たな1ページが刻まれる日も近い。
(清水支局・大村花、坂本昌信 写真部・久保田竜平)
〈2023.11.21 あなたの静岡新聞〉

球場「ちゅ〜るスタ」の照明、LED化へ 夜の試合盛り上がりに期待

 静岡市は29日までに、同市清水区の野球場ちゅ~るスタジアム清水(清水庵原球場)の夜間照明設備をLED化する方針を固めた。くふうハヤテベンチャーズ静岡が今季から同球場を本拠地にプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入するため、プロ野球公式戦のナイターができるように照度を高める。事業費1億9400万円を計上した2023年度一般会計補正予算案を2月8日開会予定の市議会2月定例会に提出する。関係者への取材で分かった。

静岡市が照明設備をLED化に改修する方針を固めたくふうハヤテベンチャーズ静岡の本拠地ちゅ~るスタジアム清水=25日、静岡市清水区
静岡市が照明設備をLED化に改修する方針を固めたくふうハヤテベンチャーズ静岡の本拠地ちゅ~るスタジアム清水=25日、静岡市清水区
 関係者によると、夜間照明設備塔6カ所の全180灯を現在のメタルハライドランプからLEDに更新する。照度は750ルクスから2200ルクスに向上し、日本野球機構(NPB)がプロ野球公式戦のナイターとして推奨する条件を満たすという。消費電力は約半分になり、電気料金は年間約350万円削減される見通し。プロ野球がナイター開催できるようになれば、市民が昼間にできる頻度が増え、利便性の向上も期待できる。
 財源は市債のほか、国の学校施設環境改善交付金を活用する。予算案の議決後、工事手続きに着手し、8月ごろの整備完了を目指す。
(政治部・尾原崇也)
〈2024.01.30 あなたの静岡新聞〉

道の駅整備実現へ社会実験イベントも ⚾ハヤテが後押しなるか

 静岡市清水区庵原地区に道の駅整備を目指す「清水いはら道の駅プロジェクト」は28日、3回目となる社会実験イベントを同区のちゅ~るスタジアム清水(清水庵原球場)で行った。同所を本拠地とし、今季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入するくふうハヤテベンチャーズ静岡の選手らも登場し、イベントを盛り上げた。

交流する選手と来場者ら=静岡市清水区のちゅ~るスタジアム清水
交流する選手と来場者ら=静岡市清水区のちゅ~るスタジアム清水
 市内外から47店が出店した。同地区の特産であるミカンなどのかんきつ類をはじめ、マグロや静岡おでんといった地域の名物が集合し、家族連れなどでにぎわった。くふうハヤテの選手らはステージであいさつした後、ブースを回って昼食をとったり、来場者と交流したりして地域交流の一歩を踏み出した。
 同プロジェクトの運営関係者は「プロ球団が生まれたことの効果は想像以上。地域の明るい将来に向け、力を合わせていきたい」と道の駅整備や地域の活性化に向けて意気込みを話した。
(清水支局・大村花)
〈2024.01.29 あなたの静岡新聞〉

歴史文化の象徴「三池平古墳」、スポーツ拠点「J-STEP」も誇りです

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三池平古墳とJ―STEP=静岡市清水区

 4世紀後半の築造とされる前方後円墳「三池平古墳」。今年9月には、台風15号による被災や新型コロナ禍を乗り越え、4年ぶりに行われた「古墳まつり」の会場になるなど、文字通り地域の人々に親しまれている。祭りでは、静岡県指定史跡の古墳の上で子どもたちが歌を披露。周辺では食べ物の店が出るなどして盛り上がった。全長65メートルの古墳を上空から見ると、はっきりと鍵穴の形が見え、太古のロマンも感じられる。
 
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三池平古墳の上で行われた子供たちの踊り=静岡市清水区

 隣接地には2001年4月に完成したスポーツ拠点「清水ナショナルトレーニングセンター(J―STEP)」があり、モダンな建物と青々とした芝生が対照的。敷地内のジョギングコースは地域住民が朝夕散歩する定番コースになっている。
 地域づくりを進める「いほはらの国づくり倶楽部」の山岸克久代表(75)は「どちらも庵原地区のシンボルであり誇り」と胸を張る。
(清水支局・大村花、坂本昌信 写真部・久保田竜平)
〈2023.11.21 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞