⚾くふうハヤテベンチャーズ静岡 近づく船出の時
日本野球機構(NPB)の2軍ウエスタン・リーグに参入するハヤテ223。球団名が「くふうハヤテベンチャーズ静岡」と発表され、入団選手やホーム清水庵原球場の愛称も決定しました。観戦に行くのが今から待ち遠しく、応援グッズやマスコットの「くふう」にも注目しています。シーズンに向けて加速する動きをまとめました。
球団名は「くふうハヤテベンチャーズ静岡」
今季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入する静岡市拠点のハヤテ223(ふじさん)は16日、都内で記者会見を開き、球団名を「くふうハヤテベンチャーズ静岡」(略称・くふうハヤテ)に決定したと発表した。同社と資本業務提携を結んだ生活関連サービスの「くふうカンパニー」(東京都港区)が命名権(ネーミングライツ)を取得した。
ハヤテ223の杉原行洋代表は「(プロ野球の球団が増えるのは)66年ぶりの挑戦。静岡県はさまざまな企業の創業地でベンチャー魂があり、なじみの良い名前だ」と強調した。
新球団は清水区の清水庵原球場を本拠地とする。24日に入団会見を予定する。
(東京支社・山下奈津美)
静岡市長「市民に夢と元気を」 静岡市の難波喬司市長は16日、同市清水区の清水庵原球場を本拠地とするプロ野球2軍球団「ハヤテ223」の球団名が「くふうハヤテベンチャーズ静岡」に決定したことを受け、「名前の通り、壮大な冒険に挑む選手たちが市民に夢と元気を与えてくれることを期待するとともに、静岡の名を持つ球団として引き続き全力で支援する」とのコメントを発表した。
〈2024.1.16 あなたの静岡新聞〉
本拠地・清水庵原球場 略称は「ちゅ~るスタ」
静岡市は16日、プロ野球2軍球団「ハヤテ223(ふじさん)」の本拠地・清水庵原球場(静岡市清水区)のネーミングライツ(命名権)パートナーが同区のいなば食品に正式に決まった、と発表した。新しい愛称は「ちゅ~るスタジアム清水」とし、略称は「ちゅ~るスタ」となる。
市が昨年12月26日まで行った命名権の募集には同社のみから応募があった。庁内の2段階の審査を経て正式に決定した。市スポーツ交流課によると、プロ野球仕様のフェンスなど3千万円のスタジアム改修工事を行うほか、追加的な工事も今後検討する。
〈2024.1.16 あなたの静岡新聞〉
⚾入団選手発表 前DeNA田中健二朗、池谷蒼大ら
来季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入する静岡市拠点のハヤテ223(ふじさん)が7日、入団選手29人を発表した。DeNAで中継ぎとして活躍した田中健二朗投手(常葉菊川高出)や、同じ左腕の池谷蒼大投手(静岡高出、ヤマハ出身)、ソフトバンクやロッテでプレーした福田秀平外野手らが名を連ねた。
NPB経験者は10人。元DeNAで今季は社会人野球の日本新薬でプレーした倉本寿彦内野手や、ソフトバンクなど3球団で主に中継ぎを担った藤岡好明投手らも加わる。
県内関係の選手は、静岡高時代に同期の池谷とともに選抜大会に出場した群馬大医学部で準硬式野球部の竹内奎人投手ら、7人が加入する。竹内は来年2月の医師国家試験は受験する予定だが卒業後は初期研修に進まず、野球を続ける。
獲得を目指す外国人選手とは交渉を進めている段階。最終的な選手数は約40人になる見通し。
(吉沢光隆)
野球ができる幸せ 「地元に恩返しを」 前DeNA左腕・池谷
ハヤテ223に入団が決まった前DeNAの左腕、池谷はNPB再挑戦への決意とともに「まだ野球ができる幸せを感じている。地元に恩返しをしたい」と意欲を語った。
11月15日の12球団合同トライアウトを受けたもののNPBから声は掛からず、一般企業での第二の人生も考えた。だが、ハヤテ側の熱心な誘いを受け「納得するまで野球をやってもいいんじゃないか」と思い直した。
静岡高時代、2017年の選抜で大阪桐蔭の強打者をほぼ直球だけでねじ伏せた。ヤマハを経て21年にDeNA入り。2年目の4月に初勝利を挙げたがその後は状態が上がらず、3年目の今季は1軍での登板はなかった。
今季は横手投げへの葛藤や、左肘に故障を抱えながらの苦しい1年だった。プロ入り後に腕の位置を下げるよう指示を受け、従ったものの最大の武器の直球を生かせなかった。だが「チームの戦力になれていない」という負い目もあり受け入れてきた。左肘の状態も悪くなる一方で、ファーム最終戦となった10月1日のロッテ戦は、3連投で肘は限界だった。1死しか奪えず6失点と炎上。「呼ばれた時(戦力外の)察しがついた」という。
ハヤテでは上手投げに戻し、肘の治療も受けて臨む。「万全の状態でどこまでできるか」と新しい挑戦を楽しみにしている。
〈2023.12.8 あなたの静岡新聞〉
(結城啓子)
⚾打撃アドバイザーに三島出身・内田順三氏
来季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入する静岡市拠点のハヤテ223(ふじさん)は20日、同市内で会見を開き、コーチ陣を発表した。ヘッドコーチには巨人の2軍監督などを歴任した高田誠氏(59)、打撃アドバイザーには巨人、広島などで多くの名打者を育てた三島市出身の内田順三氏(76)が就任する。
内田氏は東海大一(現東海大翔洋)高、駒大を経てヤクルト、広島などで活躍。巨人の打撃コーチ時代は松井秀喜氏、高橋由伸氏らを育て、広島でも現監督の新井貴浩氏らを主力に鍛え上げた。月に10日ほどチームに帯同し1月25日から始まるキャンプにも約1週間参加する予定という。
会見した池田省吾球団社長は育成力を第一に、本県とのゆかりも踏まえた組閣の経緯を説明。「NPBに加え、独立リーグを経験してきた人も意識した」と話した。山下大輔ゼネラルマネジャー(GM)は「非常に有能で、意欲を持った方に来ていただいた。バランスの取れた人選ができた」と自信をのぞかせた。
「ファーム日本一を」 赤堀監督が抱負 一問一答
ハヤテ223の初代監督を務める赤堀元之氏に抱負を聞いた。
-オファーを受けた時の心境は。
「プロ球団が増えるのは66年ぶりで、それが静岡に。僕も静岡で育ってきたので本当に光栄でうれしかった」
-新球団の魅力は。
「ゼロからのスタートで伸びていくだけ。期待感しかない。楽しみな選手がたくさんいる」
-目指す形は。
「一人でも多くドラフトにかけ、NPBを退団した選手ももう一度上の舞台に立たせたい。あとは勝つこと。静岡、全国に愛されるチームをつくり、ファーム日本一を目指す」
-地元への影響は。
「少しずつ野球人口が減る中で、静岡に球団ができたことにより子どもたちがハヤテに入りたい、プロに行きたいという気持ちになっていってほしい」
-開幕への準備は。
「チーム力を付けないと。まずは投手力を柱に、打つ方も伸ばしていければ」
-自身は引退後にNPBや独立リーグで指導者を歴任した。
「(投手コーチや育成担当などの)経験は大きい。いろんな選手がいて個性もあると思うので、そこを見ながら育てていきたい」
-独立リーグ・新潟アルビレックスBC監督時は優勝、NPBに選手も輩出した。
「強みになる。NPBがほしがる選手像を分かるような気がするし、スカウトとも話すことができるのでうまく生かしたい。プロも独立リーグも選手のやる気は大きく変わらない。技術的な部分で段階を上げられるよう意識して取り組みたい」
あかほり・もとゆき 藤枝市出身。静岡高2年夏に甲子園に出場。近鉄では抑えを担い、1992年に最優秀防御率と最優秀救援のタイトルを獲得した。最優秀救援は計5度受賞。引退後はオリックスなどでコーチを担い、独立リーグの新潟アルビレックスBC監督も歴任した。今季は関西独立リーグ・淡路島ウォリアーズで監督を務めた。
〈2023.12.21 あなたの静岡新聞〉
動 画
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SBSテレビニュース「『地域の人と勝ちを分かちあい愛されるチームに』来季プロ野球2軍参入『ハヤテ球団』がコーチ陣発表」