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新春初競り、「一番マグロ」の行方は?

 東京・豊洲市場(江東区)で5日、新春恒例のマグロの初競りが行われました。沼津魚がし鮨(ずし)を運営する沓間水産(裾野市)が今年初めて都内での競りに参加し、一番マグロの競りで一騎打ちを演じました。果たしてその行方は?

沓間水産は「二番マグロ」獲得 5310万円

 東京・豊洲市場(江東区)で5日、新春恒例のマグロの初競りが行われ、沓間水産(裾野市)が最高値に次ぐ「二番マグロ」をはじめ11本を競り落とした。同社が運営する沼津魚がし鮨(ずし)の静岡県内外の店舗で提供する。一番マグロの競りで一騎打ちを演じたが、獲得はならなかった。

沓間水産が競り落とした二番マグロ(同社提供)
沓間水産が競り落とした二番マグロ(同社提供)
 手に入れた二番マグロは青森県大間産の177キロのクロマグロ。5310万円(1キロ当たり30万円)で落札した。4日に水揚げされたばかりで、沓間大作社長は「鮮度が抜群。身の張りがよく、おいしい。一番いいマグロを取れた」と語った。
 初競りの会場にはつややかかな生マグロなどが一面に並び、午前5時10分の鐘の音を合図に始まった。沓間社長と仕入れの責任者を務める阿部和広取締役が品定めし、競りに参加する権利を持つ仲卸の「米彦」に買い付けを依頼した。
 一番マグロは大間産の238キロのクロマグロで、1億1424万円(同48万円)。仲卸の「やま幸(ゆき)」が4年連続で競り落とした。沓間水産によると、1キロ25万円を超えた段階で2者の争いとなり、1キロ45万円まで提示したが及ばなかった。
 沓間水産は2023年11月期の売上高と利益が過去最高になり、創業者の沓間久明会長の夢「日本一のすし屋になる」をかなえようと、築地市場時代も含め初めて参加した。沓間社長は「来年は作戦を変えて参戦したい。リベンジしたい」と誓った。
(東部総局・矢嶋宏行)
〈2024.1.5 あなたの静岡新聞〉

豊洲「初競り」最高値 大間産クロマグロが1億1000万円!

 東京都江東区の豊洲市場で5日、今年最初の取引となる「初競り」が開かれ、238キロの青森県大間産クロマグロが、この日最高値の1億1424万円で競り落とされた。都によると、記録が残る1999年以降で4番目。

豊洲市場の「初競り」で、最高値の1億1424万円で競り落とされた青森県大間産クロマグロ。左から2人目は「やま幸」の山口幸隆社長=5日午前、東京都江東区
豊洲市場の「初競り」で、最高値の1億1424万円で競り落とされた青森県大間産クロマグロ。左から2人目は「やま幸」の山口幸隆社長=5日午前、東京都江東区
 仲卸の「やま幸」(江東区)と「鮨 銀座おのでら」などを運営する会社が共同で落札した。過去最高落札額は、旧築地市場(中央区)から移転後初となった2019年の3億3360万円。昨年は3604万円だった。
 やま幸の山口幸隆社長(61)は「最近の景気の良さを感じ、1億円はいくと思っていた。決め手は鮮度と発色の良さ。寒い中、釣ってくれた漁師さんに感謝しています」と話した。能登半島地震に触れ「自粛するべきか複雑な思いもあったが、明るいニュースも必要と挑んだ」とした。
 競り場はマグロが一面に並べられ、午前5時10分に開始を告げる鐘が鳴った。売り手のかけ声とともに、買い手は「手やり」と呼ばれる合図で次々と競り落とした。
 最高値のマグロは都内の店舗などで赤身とトロのセット(1080円)として提供される。
〈2024.1.5 あなたの静岡新聞〉

動 画

沓間水産 昨年は沼津「初競り」でマグロ最高値 1キロ5500円 

 沼津市千本港町の沼津魚市場で(2023年1月)5日行われた初競りで、「沼津魚がし鮨グループ」を運営する沓間水産(裾野市、沓間大作社長)が冷凍ミナミマグロを最高値の1キロ当たり5500円で競り落とした。1匹では35万7500円。国際情勢の影響による物価高などで消費低迷が懸念される中、同社の担当者は「水産業を応援し、地域を活気づけたい」と願いを込めた。

最高値でマグロを落札した沓間水産の沓間社長(手前)ら=沼津市千本港町の沼津魚市場
最高値でマグロを落札した沓間水産の沓間社長(手前)ら=沼津市千本港町の沼津魚市場
 仲買人の威勢のよいかけ声が響く市場で、同社の担当者が大小さまざまなマグロを次々と競り落とし、計約1・1トンを落札した。最も大きい重さ80・2キロのマグロは、1キロ当たり4500円で1匹約36万円。川口武久統括部長(49)は「脂ののりが素晴らしく、赤みとのバランスも良い。おいしいすしができる」と話した。
 初競りで仕入れたマグロは6日から、静岡県内店舗で販売する。
〈2023.1.6 あなたの静岡新聞〉

新春初競り、威勢よく 静岡県内主要市場では…

 水産物や青果を扱う静岡県内の主要卸売市場で5日早朝、新春の「初競り」が行われた。気候変動やコスト高などの厳しい環境を乗り越えようと、市場関係者が威勢良く競りの声を響かせた。

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初競りで冷凍マグロを競り落とす仲買人=5日午前6時半ごろ、沼津市千本港町の沼津魚市場

 沼津市千本港町の沼津魚市場では午前5時45分から取引が始まった。入荷量は平年並みの20トンで、うち11トンが地元の鮮魚。タチウオやキンメダイなど100種以上が落札された。アマダイが1キロ当たり1万6千円、冷凍ミナミマグロ5千円、生キハダマグロ2千円と高値がついた。市場関係者は「原油高などの影響で価格は上昇傾向。天候に恵まれ、例年より地物が多い」と話した。

 静岡市中央卸売市場(同市葵区)の水産物は、生と冷凍のマグロを中心に取引された。最高値は千葉県銚子産の生クロマグロ(125・7キロ)で、前年を1900円上回る1キロ9千円で落札された。競りに先立って開かれた初取引式で、同卸売市場水産協会の杉田安隆会長は「水産業界は温暖化により厳しい状況にある。辰(たつ)年の竜は水の守護神。水産物を扱うわれわれにも恩恵があれば」と祈願した。
 
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㊧場内に威勢の良いかけ声が響き渡った初競り=静岡市葵区の市中央卸売市場㊨初競りを前に品定めをする関係者=静岡市葵区の市中央卸売市場

 浜松市中央卸売市場(同市中央区)は午前5時45分ごろから水産物と青果物卸売場でそれぞれ初競り式が行われた。青果は高温が続いた影響で、ハクサイやキャベツなどで大型が目立った。卸売業者は「全国的に暑い日が続き、どの産地でも同じタイミングで出荷された」と話す。トマトなどが安値だという。水産物では宮城県塩釜産の本マグロ(142キロ)が最高値で107万3520円。1キロ当たりでは7560円と前年を1620円下回った。
〈2024.1.5 あなたの静岡新聞〉
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