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バスケ・B2ベルテックス静岡 「WOW」な新シーズンへ!

 バスケットボールBリーグ2部に昇格したベルテックス静岡の新シーズンが、10月5日にホーム静岡市中央体育館で開幕します。チームの今季スローガンは「WOW(ワオ)」。未だ見ぬ驚きを静岡に提供すると意気込むチームが、初めて挑戦する2部リーグでどんな戦いを見せるのか注目です。シーズンに向けた動きをまとめました。

静岡で開幕戦 強豪神戸に熱戦も惜敗

 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)の静岡は5日、今季リーグ開幕戦を迎え、静岡市中央体育館で神戸と対戦し、89―92で惜敗した。新加入のブロープレーを起点に前半から食らいついたが、試合巧者の神戸から主導権を奪えず、あと一歩で屈した。静岡は6日も同会場で神戸と対戦する。

静岡―神戸 第1クオーター、シュートを決めるブロープレー=静岡市中央体育館
静岡―神戸 第1クオーター、シュートを決めるブロープレー=静岡市中央体育館

 昨季3位に善戦 初勝利一歩届かず  最終盤までもつれる大熱戦も及ばず、静岡は3点差で神戸に惜敗した。会場を埋め尽くした2027人の観衆にB2初勝利を届けることはできなかったが、昨季B2で3位の強豪をあと一歩まで追い詰めた。ミュラー監督は「エネルギーいっぱいで戦った。選手はすごく頑張ってくれた」と振り返った。
 序盤は苦戦。だが新加入ブロープレーが攻撃の起点となり、得点を重ねた。後半は岡田の連続シュートで追い付くと、第3クオーター残り5分で大友、ブロープレーが続けて3点シュートを決めるなど見せ場をつくった。
 それだけに反則からの失点が多かったのが痛かった。主将の加納は「勝ちきれなかったのは自分たちの弱さ」と悔しさをにじませた。
 昨季はB3準優勝で、クラブ創設5年にして悲願のB2昇格を達成。チームが掲げる「全員バスケ」を体現した。今季はレベルが上がった相手に勝負どころでいかに得点できるか。「細かい部分で負けた。どちらが勝ってもおかしくない試合だった」と指揮官。善戦で得た手応えは次につなげるつもりだ。
(運動部・吉沢光隆)
〈2023.10.04 あなたの静岡新聞〉

B2初陣へ 壮行会で決意「感動、ワクワク届ける」

 バスケットボールBリーグ2部(B2)静岡は2日、静岡市葵区のマークイズ静岡でB2初陣となる新シーズンに向けた壮行会を行った。約500人のファンを前に、最年長34歳の加納誠也が新主将に就任したことを発表。加納は「皆さんに感動、ワクワク、(驚きを意味するチームスローガンの)WOWを届ける。会場で一緒に勝利を味わいたい」と宣言した。

大勢のファンを前にB2で迎える新シーズンへの決意を表明した壮行会=静岡市葵区のマークイズ静岡
大勢のファンを前にB2で迎える新シーズンへの決意を表明した壮行会=静岡市葵区のマークイズ静岡
 選手12人とファクンド・ミュラー監督、昨季限りで現役を引退した大石慎之介アシスタントコーチらが登壇。昨季主将を務めた岡田雄三と来日2季目のケニー・ローソンが副主将を務めることも紹介された。個人目標も発表し、選手一人一人が「プレーオフ進出」「3点シュート成功率40%」などを掲げた。4季目となるミュラー監督は「選手の顔ぶれも変わり、B2として新たな1年になる」と決意をにじませた。
 チームは17、18日に島田市でプレシーズンゲームを行い、10月5、6日に昨季B2で3位の神戸と静岡市中央体育館で開幕戦に臨む。
(運動部・山本一真)
〈2023.09.03 あなたの静岡新聞〉

「B2で旋風を起こす」 市長に意気込み

 2023―24シーズンからバスケットボール男子Bリーグ2部(B2)を舞台に戦うベルテックス静岡の選手ら3人が11日、静岡市の難波喬司市長を市役所静岡庁舎に訪ね、今季開幕に向けた意気込みを伝えた。

静岡市の難波市長(左)から激励の花束を受けるベルテックス静岡の選手ら=市役所静岡庁舎
静岡市の難波市長(左)から激励の花束を受けるベルテックス静岡の選手ら=市役所静岡庁舎
 訪れたのは今季から主将を務める加納誠也選手(34)と副主将のケニー・ローソン・ジュニア選手(34)、松永康太社長。加納選手は10日まで沖縄県などで行われたバスケ男子ワールドカップの盛り上がりに触れ、「(静岡)県民の(競技に対する)注目度も高まっている。B2でベルテックス旋風を起こしたい」と語った。
 難波市長は昨季、B3から昇格を果たしたチームの躍進をたたえた上で、「静岡市にバスケを楽しむ文化が広がり始めている。B2でも大暴れしてほしい」と激励し、花束を贈った。
 チームは市中央体育館で10月5、6日、昨季B2で3位の神戸と開幕戦に臨む。
(政治部・尾原崇也)
〈2023.09.14 あなたの静岡新聞〉

未完の大器 市川真人(静岡学園高出) 杭州アジア大会で奮闘

 未完の大器はアジアで殻を破れるか。バスケットボールBリーグ2部(B2)静岡の市川真人(22)が中国・杭州アジア大会で代表デビューを果たした。ここまで1次リーグ2試合に出場し16得点。206センチの長身で3点シュートが武器という希少なビッグマンは「貴重な経験を積めている。静岡にメダルを持ち帰りたい」と懸命だ。

日本―インドネシアの試合前、シュート練習をする市川真人=28日午後、中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
日本―インドネシアの試合前、シュート練習をする市川真人=28日午後、中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
 静岡学園高では全国経験がなく白鷗大でもプレータイムが限られながら、高2春の2019年に17歳でU-22(22歳以下)代表合宿に選ばれ、その後も世代別代表候補の常連。ただ、周囲の評価や期待と裏腹に、市川自身はもどかしい時間を過ごしてきた。
 自己主張が苦手でマイナス思考-。大学では留学生に圧倒され、「一つのミスを引きずり『自分なんか』と思うことが多かった」。今春に大学を中退してB2静岡の練習生になったが、内角で守れず得意の3点シュートも入らない。特別指定での選手契約を提示されても「本当に受けていいのか」と自信をもてなかった。
 そんな22歳が、追加招集から代表入りして変わりつつある。かつては重圧に感じた期待も「静岡出身ということもあり、代表入りが決まった時もすごく応援してもらえているのが励み」と前向きになれた。課題の守備も「まだプロレベルではないが、周囲と連係しチームとして守れるように」と積極的に声を出す。
 1次リーグ1位通過を懸け、次は大一番の日韓戦(30日)。「スクリーンプレーやリバウンドで役割を果たす。ゴール下でもっとファイトしたい」と市川。パリ五輪切符をつかんだワールドカップ(W杯)とはメンバーを一新したチームでもアジア最強は譲れない。
(杭州=静岡新聞社臨時支局・山本一真)
〈2023.09.29 あなたの静岡新聞〉
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