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静岡東急スクエア7月閉館 変わるおまち、御幸町・伝馬町エリア

 静岡市葵区伝馬町の大型商業施設「静岡東急スクエア」が7月17日閉館することが決まり、その後継施設が8月1日に開業します。隣りのマルイ跡地には今夏、ホビー商材販売「駿河屋」を運営するエーツーの本社兼旗艦店が開業予定です。この夏、大きく変わる御幸町・伝馬町の商業施設の話題を1ページでおさらいします。

2007年開業の静岡東急スクエア 複数のテナントが閉店セール

 静岡市葵区伝馬町の大型商業施設「静岡東急スクエア」が7月中旬の営業終了に向けて準備を進めていることが8日までに、関係者への取材で分かった。運営会社は既に入居する複数のテナントに閉館を通知している。

7月中旬の営業終了に向け準備が進む静岡東急スクエア=8日午前、静岡市葵区
7月中旬の営業終了に向け準備が進む静岡東急スクエア=8日午前、静岡市葵区
 近年、主要テナントが相次ぎ撤退し、営業終了の可能性が取りざたされていた。同施設は2007年開業の「SHIZUOKA 109」の後継施設。市中心市街地の有力施設の一つで、中心街の地盤沈下が懸念される。次の運営主体も含め、閉館後の施設活用の行方にも注目が集まる。
 静岡東急スクエアには現在、地上3階を除く地下1階~地上5階に約20店舗が入る。各テナントには昨年から閉館の情報が伝えられていて、複数のテナントが閉店セールを実施している。
 同施設は17年11月、109時代に10~20代女性が主だった客層の拡大を狙い、雑貨や飲食などを加えて再出発した。近年は新型コロナウイルス禍による外出自粛や、周辺商業施設との競争激化などで客足が減少していた。  静岡東急スクエアを運営する東急モールズデベロップメント(東京都)の担当者は「最終決定としてご案内できることはない」としている。
 〈2023.6.9 あなたの静岡新聞〉

後継施設「(仮称)けやきプラザ」 10月下旬のグランドオープンを目指す

 静岡市葵区の大型商業ビル、伝馬町再開発ビルの管理会社は8月1日、閉館に向け準備中の商業施設「静岡東急スクエア」の後継施設として、「(仮称)けやきプラザ」をオープンする。静岡東急スクエアは7月17日閉館が決まった。後継施設はビル内に残留する飲食や雑貨などのテナントを地下1階に集め、再出発する。

8月から「(仮称)けやきプラザ」がオープンする静岡東急スクエア周辺の地図
8月から「(仮称)けやきプラザ」がオープンする静岡東急スクエア周辺の地図
 地上1階には大手雑貨店を誘致するほか、2階にも新規テナントを含めた若者向け衣料品店などの集積を進め、順次開業する予定。10月下旬のグランドオープンを目指す。3~5階の活用方針は未定だが、オフィスなどを誘致するという。
 静岡東急スクエアは2017年、営業を終了した「SHIZUOKA 109」の後継施設としてオープンしたが、近年は新型コロナウイルス禍などの影響で客足が減少していた。
 管理会社の幹部は「住みよい町づくりと街の発展のために再開発ビルを建てた。その気持ちは今も変わらない。生活に密着し、地域住民が集まる施設にしたい」と語った。
 〈2023.6.13 あなたの静岡新聞〉

隣接するマルイ跡にエーツー 静岡「駿河屋」本社兼旗艦店、今夏オープン目指す

 2021年3月に閉店した静岡市中心市街地の大型商業施設「静岡マルイ」(同市葵区)の土地と建物を、ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(同市駿河区)が取得したことが27日までに、同社への取材で分かった。同市葵区の駿河屋静岡本店を移転、増床し、本社兼旗艦店として活用する。今夏オープンを目指す。

「駿河屋」を運営するエーツーによる取得が明らかになった旧静岡マルイ=27日午後、静岡市葵区
「駿河屋」を運営するエーツーによる取得が明らかになった旧静岡マルイ=27日午後、静岡市葵区
 同社は新店舗を中心街に構え、同市を訪れる国内外の観光客に「ホビーのまち静岡」を発信する方針。旧静岡マルイが立地した伝馬町・御幸町周辺は、現在も別の商業施設で経営危機が取りざたされるなど、集客力低下が懸念されていた。
 エーツーの杉山綱重社長は「ホビー商材販売店の規模としては国内最大級になる。若い世代を含むファンが集まる店に育て、静岡市中心街の活性化につなげたい」としている。
 同社が取得した建物は地上9階建て、延べ床面積約1万5800平方メートル。1~3階を店舗に改装し、各階でホビー関連書籍やプラモデル、ゲームソフト、トレーディングカードなどを扱う。売り場面積は、現静岡本店の約4倍になる見込み。24年8月期に売上高20億円を目指す。4~9階には市内に分散している本社機能を集約する。
 静岡マルイは1969年に「丸井静岡店」としてオープン。2016年に「静岡マルイ」に全館リニューアルし、若者を中心に人気を集めたが、競争激化や新型コロナウイルス禍の影響で21年3月に閉店した。隣接する丸井グループの商業施設「静岡モディ」は営業を継続している。
〈2023.3.28 あなたの静岡新聞〉

懸念される中心街の地盤沈下 22年の市街地通行量、コロナ禍前に及ばず

 静岡商工会議所がまとめた2022年度静岡市中心市街地の通行量調査によると、総通行量は前年度比0・7%増の38万9800人と2年連続で前年度を上回った。社会経済活動の正常化に伴う人出の大幅回復が期待されたが、44万人超を記録したコロナ禍前(19年度)に及ばなかった。

 調査は22年11月27日、同市葵区の中心市街地の計78地点で実施した。2年連続の通行量トップは「パルシェ前中央地下道」の2万7841人(前年比14・8%増)。次点は「新静岡セノバ前南口モール」の2万2710人(1・8%減)、「スターバックスコーヒー呉服町通り店前・サンカメラ前」の1万8854人(4・8%増)が続いた。
 同商議所は「2年連続で前年を上回っているが、コロナ禍が継続する中、先行きは楽観できない」(商工観光課)と分析。行政やまちづくり組織と連携して大河ドラマを活用した回遊促進策を講じ、中心市街地の活性化につなげるとしている。(経済部・駒木千尋)
 〈2023.1.28 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞