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静岡県 新型コロナ「対策強化宣言」発令 求められる行動は

 静岡県は新型コロナウイルスの感染爆発を受け、「医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言」を発令しました。年明けの県内は新規感染者が1日1万人に迫る日が続いています。専用病床はほぼ満床になり、通常医療にも深刻な影響が出ています。「対策強化宣言」発令にあたり、県民に求められる行動をまとめました。

川勝知事「救える命 救えない状況が迫っている」

 新型コロナウイルスの感染爆発を受け、静岡県は13日、「医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言」を発令した。県民に外出や会食、イベントの場面で慎重な行動を求め、感染抑制を図る。川勝平太知事は臨時記者会見で「救える命を救えない状況が差し迫っている」と危機感を訴えた。期間は2月10日まで。

新型コロナウイルスの感染爆発を受けて医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言を発令する川勝平太知事=13日午前、静岡県庁
新型コロナウイルスの感染爆発を受けて医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言を発令する川勝平太知事=13日午前、静岡県庁
 県内は直近1週間の新規感染者が初めて5万人を超え、1255床の専用病床はほぼ埋まった。手術の見合わせや救急搬送困難事案が増加し、通常医療にも深刻な影響が出ている。
 宣言は県民に混雑した場所など感染リスクの高い外出を極力控え、会食は少人数、短時間に抑えるよう求めた。重症化リスクの低い人は自己検査を活用した上で自宅療養を促す。事業所は陰性証明を従業員に求めないこととした。
 受け入れ病院は入院対象を中等症以上や基礎疾患の重い患者とするよう感染症法に基づき要請する。患者が軽快した際は後方病院や自宅療養に移し、病床の回転を早める。
 宣言は「第8波」に備え政府が決定した新たなコロナ対応策で、発令は岐阜県に続いて全国2例目。さらに深刻になると「医療非常事態宣言」に移行する可能性がある。(社会部・河村英之)
〈2023.1.13 あなたの静岡新聞〉

年明け以降の新規感染者数

根幹的な解決策は感染者の抑制

 新型コロナウイルスの感染爆発を受け、静岡県が13日に発令した初の医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言。病院などと連携し、医療体制を強化してしのぐ構えだ。一方で医療従事者の感染による欠勤が増大し、逼迫が解消されない懸念は残る。根幹的な解決策は感染者の抑制で、関係者は「強い行動制限がない中、県民が感染予防や適切な受診を実践できるかが鍵を握る」と訴える。

 「最後のとりでである医師、看護師は悲鳴を上げている」
 同日の臨時記者会見で川勝平太知事は危機感を強調した。年明けの県内は新規感染者が1日1万人に迫る日が続き、専用病床はほぼ満床になった。
 受け入れ病院は感染症法に基づく県の要請を踏まえ、入院基準を中等症以上や基礎疾患の重い人に限定する。軽快したら速やかに後方病院や自宅療養に移す流れを徹底する。
 ただ、病床の回転を高めるこれら方策は仮に実現できても、かつてない感染拡大に歯止めをかけなければ限界が来ることは明らか。複数の病院の幹部は「あくまで感染者の減少が打開の近道」と声をそろえ、外出や会食の慎重な判断、インフルエンザを含めたワクチン接種を県民に求める。
 外来診療の混雑緩和に向けては、感染した際の行動も重要になる。会見で川勝知事は、重症化リスクの低い人にキットによる自己検査と自宅療養を強く促した。
 県はもともと、基礎疾患のない中学生以上64歳以下の感染者は自己検査・療養受付センターに登録するよう呼びかけていた。若く健康な人にとってオミクロン株感染は、医療機関を介す必要がないと判断したためだ。
 ところが現状で同センターの活用は新規感染者の1割程度にとどまる。1日当たり数千人規模が医療機関に押し寄せている計算になり、救急車を利用する人も一定数いる。一連の実態が発熱外来や救急の逼迫を引き起こしている。
 県健康福祉部の後藤幹生参事は、センターの本来機能が働けば「高リスク者が確実に診療を受けられる体制を維持できる」とした上で、「医療が機能不全とならないよう(県民は)協力してほしい」と述べた。(社会部・河村英之)
〈2023.1.14 あなたの静岡新聞〉

インフルと新型コロナワクチン 同時接種も可能

インフルエンザワクチン接種のポイント
インフルエンザワクチン接種のポイント
 ※2022年9月23日 あなたの静岡新聞から
 インフルエンザワクチンの接種が(2022年)10月から始まる。今シーズンから希望すれば新型コロナウイルスワクチンとの同時接種も受けられる。この冬は新型コロナとの同時流行が起こる恐れがあると国の有識者会議などで指摘されており、日本感染症学会も積極的な接種を呼びかけている。感染拡大に備え、過去最多のインフルエンザワクチンが医療機関に出回る見通し。
 (10月)20日から新型コロナのオミクロン株対応ワクチンの接種が始まったが、厚生労働省は同じタイミングで受けてよいとしている。どちらかを先に受けた場合も特定の間隔を空ける必要はない。
地域再生大賞