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富士山静岡空港に施設利用料 導入の経緯や仕組みは

 富士山静岡空港は国内線と国際線の利用者が支払う「旅客取り扱い施設利用料」を2023年1月に導入します。施設利用料は成田、羽田、関西など国内の主要空港が導入していて、静岡空港は全国13番目です。施設利用料導入の経緯や仕組みをまとめます。

金額は? 国内線140円、国際線550円

 静岡空港を運営する富士山静岡空港株式会社(牧之原市)は4日、国内線と国際線の利用者が支払う「旅客取り扱い施設利用料」を2023年1月20日から導入すると発表した。金額は国内線が大人1人当たり140円(3~11歳は70円)、国際線は同550円(2~11歳は270円)。

国際線のチェックインカウンター=静岡空港
国際線のチェックインカウンター=静岡空港
 同社はアフターコロナを見据えて旅客ターミナルビルの改修工事や保安検査場の混雑緩和措置などを実施していて、担当者は「利便性の高いサービスを提供していくために適切な費用を確保する必要がある」と説明した。空港内に看板を設置するなど施設利用料の導入を周知するとしている。
〈2022.11.05 あなたの静岡新聞〉

航空運賃に上乗せして徴収 空港ごとに異なる料金

 富士山静岡空港が導入する「旅客取り扱い施設利用料(PSFC)」は、航空会社が航空運賃に上乗せして徴収し、空港会社に納入する仕組み。旅客の利便性の維持向上に必要な費用を確保することで、長期間にわたり空港経営の安定化を図る狙いがある。

主な空港の旅客取り扱い施設利用料
主な空港の旅客取り扱い施設利用料
 施設利用料は成田、羽田、中部、関西など国内の主要空港を中心に導入されていて、静岡空港は全国13番目となる。同社によると、地方管理空港では下地島(沖縄県宮古島市)に次いで2例目。10月21日に県から承認を受けた。
 国内線は静岡空港を出発または到着する際、国際線は出発する際に適用される。航空会社が運賃に上乗せして旅客から徴収し、空港会社に納入する仕組みとなっている。
 施設利用料は空港ごとに異なり、羽田空港は国内線が370円、国際線が2950円、中部空港は国内線が380円と440円、国際線が1300円と2620円など。
 静岡空港の国際線はコロナの影響で20年3月から全便運休が続く。国が水際対策を大幅緩和する中、県は今年12月中の運航再開を目指して韓国や台湾の航空会社などへの働きかけを強化している。
〈2022.11.04 あなたの静岡新聞〉




 

全便欠航・運休中の国際線 再開の見通しは

 静岡県議会9月定例会が21日開会し、川勝平太知事は所信表明で、新型コロナウイルス感染拡大に伴って全便で欠航・運休が続いている静岡空港の国際線について、12月中の運航再開を目指して取り組む方針を示した。

国際線のカウンター=静岡空港ターミナルビル
国際線のカウンター=静岡空港ターミナルビル
 現在、国内では国管理の主要7空港と仙台、広島、高松の各地方空港で国際線の受け入れ体制を整えている。県は7月に早期受け入れ再開を国に要望し、8月には出野勉副知事が韓国を訪問するなど運航再開へ向けた取り組みを進めている。
 9月定例会に提出した2022年度一般会計補正予算案には、就航先での需要喚起策や本県の認知度向上を図る経費を計上した。川勝知事は、再開の遅れが県内経済回復の遅れにつながりかねないとの経済界の懸念を示した上で「インバウンドの増加は本県経済に大きな波及効果を生み、地域の活性化をもたらす」と指摘。「国への働きかけや、航空会社や旅行会社と連携した需要喚起策を強力に進める」と述べた。
〈2022.09.22 あなたの静岡新聞〉
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