感染者ゼロ河津「桜まつり開く?」 揺れる実行委【新型コロナ】

 伊豆半島に春を呼ぶ河津桜まつりを開催するか否か-。新型コロナウイルスの感染拡大で静岡県の警戒レベルは5に上がり、11都府県へ緊急事態宣言が出る中、2月10日に開幕予定の一大イベントを巡って河津町が揺れている。同町の感染者は15日現在でゼロ。町民への感染防止の観点から中止を求める意見が強い一方、200億円を超える経済効果を失うことへの懸念も根強い。同じ伊豆地域で春先の観光イベント開催を決定した市町は独自の対策を講じながら河津の動向を注視している。

河津桜まつりの開幕を控え、会場の河津川沿いでは、露店の設営準備も始まっていた=15日午後、河津町笹原
河津桜まつりの開幕を控え、会場の河津川沿いでは、露店の設営準備も始まっていた=15日午後、河津町笹原

 15日夜、町役場で開かれた河津桜まつりの実行委。関係者によると、出席者からは中止を求める意見が多く上がった一方、開催を主張する声もあり、開催可否の判断は見送られた。
 最初から中止する場合だけでなく、開催決定後に県内の感染拡大状況が悪化して中止を余儀なくされた際も、露店の出店者から集めた賛助金の扱いなどが課題になる。実行委は駐車場の態勢なども検討した上で、18日に再び会合を開き、可否を決定する。
 実行委員長を務める山田和子・町観光協会長は「中止する場合は町内だけでなく、伊豆地域全体への影響も大きい。何とか地域全体が理解できる結論に導きたい」と苦悩の表情を浮かべる。
 伊豆地域では春先の観光イベントがめじろ押し。2月10日に南伊豆町で開幕する「みなみの桜と菜の花まつり」は、大半の行事を中止したが、「純粋に花だけを楽しんでもらうイベントとして準備を進める」(同町観光協会)。料金授受時の係員の感染リスクを避けるため、駐車場は無料にする。
 東伊豆町の稲取温泉で開かれる「雛(ひな)のつるし飾りまつり」も予定通り、1月20日に開幕するが、一部の行事は中止する方針。主催する同温泉旅館協同組合の滝大輔組合長は「会期が3月末までと長い。感染拡大の状況を注視しながら、さらに内容を変更することもある」と気をもむ日々が続く。

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