リニア・トンネル工事「県と考え方の差埋める」 JR東海新社長

 JR東海の金子慎新社長は2日、都内で報道各社の合同インタビューに応じ、リニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の工事に向けて「大井川の水の扱いについて静岡県と考え方に差がある。そこを埋めていく作業を丁寧にしなければならない」との認識を示した。

リニア中央新幹線計画について語るJR東海の金子慎新社長=2日午後、都内
リニア中央新幹線計画について語るJR東海の金子慎新社長=2日午後、都内

 静岡工区では、トンネル工事に伴って減少が見込まれる大井川の水資源保全に関して、地元利水団体との基本協定の締結が難航している。金子社長は「私どもは環境影響評価(アセスメント)の結論を軸に、河川の水量が減った分をきちんと戻すという考え方だが、トンネルを掘った時の湧水を全部戻すべきだというのが県の考え方で、まだ理解が一致していない」と現状を説明した。
 JR側の対策を批判している川勝平太知事とのトップ同士の面談については「今のところ具体的に予定はない」とし、担当者レベルでの協議を続けていく考えを示した。
 「大事業である中央新幹線の建設を着実に進めていきたい」と社長としての決意を述べた一方で、今後の建設進捗(しんちょく)スケジュールに関しては明言せず「各工区にそれぞれ難しい問題がある。(同社の)中央新幹線推進本部で各工区を支援しながら全体としてスケジュールを前に進めていきたい」と強調した。
 金子社長は1日付で就任した。柘植康英前社長時代は副社長として中央新幹線を担当していた。(2018年4月3日静岡新聞朝刊)

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