記者コラム「清流」 無関心からの一歩目

 衆院選の期間中、富士市内で行われていた街頭演説にほぼ毎日出掛けた。候補者の声に耳を傾ける若者の姿はわずかで、聴衆に同世代がおらず場違い感を味わった。
 候補者からは若者を考えた主張はあまり聞けなかった。選挙は政治家人生をかけた大勝負。票数が伸びる世代に絞って支持を訴えるのは当然だ。
 期日前投票所で取材中、制服姿の女子高校生が一票を投じた。彼女の学校では政治の話題はタブーとの雰囲気があるが、「せっかくの権利は使わないと」と、ニュースを見て世の中の仕組みを勉強したという。
 「政治は若者のことを考えていない」との不満をよく聞く。未来を考える政治へと変えるには、若い世代が無関心から抜け出さねばならない。

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