記者コラム「清流」 静岡の夜の7時

 この秋の人事異動で、2年ぶりに本社勤務になった。久々に静岡市の繁華街を歩いてショックを受けた。「この店、なくなっちゃったの」「ここも空き店舗だ」。コロナ禍で撤退したのだろう。経済への深刻な影響を改めて痛感した。
 ふと、学生時代の1990年代初頭に流行した曲を思い出した。ピチカート・ファイブの「東京は夜の七時」。キラキラした都会をほうふつとさせるこの歌が大好きだった。渋谷や銀座ほどではなくても当時、身近な都会として静岡の“おまち”を重ね合わせていた。
 緊急事態宣言が解除されたとはいえ、静岡の夜の7時はまだ閑散としている。でも近い将来、必ずにぎわいが戻ると信じている。それまであと少し我慢、我慢―。
 (経済部・薮崎拓也)

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