自民県連、大村氏支援一本化 政策見極め重視、‘’一枚岩‘’見通せず【静岡県知事選】

 5月9日告示、26日投開票の静岡県知事選で、自民党県連は18日、元副知事大村慎一氏(60)の推薦を内定し、支援先の一本化にこぎ着けた。2人の候補者がともに「オール静岡」を掲げる中、政策を見極めるプロセスを重視。所属県議による独自の県民アンケートの結果も加味して判断した。ただ、前浜松市長鈴木康友氏(66)を推す声はなおくすぶり、一枚岩で戦えるかは見通せない。

議員総会と役員会終了後に記者団の取材に応じる自民党県連三役=18日午後、県庁
議員総会と役員会終了後に記者団の取材に応じる自民党県連三役=18日午後、県庁

 議員総会と役員会後に取材に応じた増田享大幹事長は、大村氏の推薦内定に至った理由について、全県的な視点で県政課題を認識している点や対話を重視する姿勢、危機管理・防災に対する元総務官僚としての知見などを挙げた。各県議による5千人規模のアンケートの結果、大村氏を支持する声が多かったことも考慮したという。
 「川勝県政の流れを変えるべきだ」。議員総会と役員会では、川勝平太知事を支えてきた野党が鈴木氏の推薦を決めたことなどを踏まえ、大村氏支援の声が相次いだ。勝てる候補を見極めるためさらなる情勢分析を求める意見も出たが、「結論を先送りすれば知名度が高い鈴木氏を利することになる」との指摘もあり、大村氏でまとまった。鈴木氏を支援する声は上がらなかったという。
 自民県連は22日の常任選挙対策委員会と総務会で大村氏の推薦を正式決定し、党本部に上申する。ようやく知事選対応が固まったが、県連内には地域間対立への懸念が根強い。ある県議は「鈴木氏支援に回る人が出るのは避けられない。大村氏をどこまでやるかも濃淡がある」と声を潜めた。
 党勢低迷も重くのしかかる。事実上の与野党対決となったことで、党派閥の政治資金パーティー裏金事件の逆風が直撃しかねない。県連幹部は自民色をどこまで出すか、選挙戦略に腐心する。増田幹事長は「大村さんは『オール静岡』で既に活動している。支援の輪に入れていただくという気持ちでいる」と記者団に述べた。

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