静岡県内大雨 3月の観測史上最大の降水量 静岡で足場傾く/沼津で1人けが/藤枝で土砂崩落
発達しながら進む低気圧や前線の影響で、静岡県内は28日夕から29日午前にかけて激しい雨に見舞われた。伊東、下田など県東部の6市町に土砂災害警戒情報が発表され、伊東市対島地区と南伊豆町全域に避難指示、松崎、東伊豆両町の全域には「高齢者等避難」の情報が出された。
静岡地方気象台によると29日午前の1時間降水量は伊豆市天城山で最大35・5ミリ、静岡市駿河区で同28・5ミリを観測した。28日午後4時の降り始めから29日午後4時までの降水量は天城山で375・5ミリ、藤枝市高根山で226・0ミリ、静岡市駿河区で194・5ミリを記録。県内各地で6~72時間の降水量が3月の観測史上最大を更新した。
JR東海は29日午前、東海道線熱海-沼津間、御殿場線山北-沼津間、身延線西富士宮-身延間などの上下線で、伊豆急行線は伊豆高原-伊豆急下田間の上下線で運転を見合わせた。
29日午前、JR沼津駅北口付近では風にあおられた女性(72)が建物の支柱に頭を打ち軽傷を負った。沼津市大手町のビルでは縦2メートル、横70センチの看板が落下したが、けが人はなかった。静岡市駿河区中原では5階建てマンションの外壁に設置されていた工事用の足場が道路側に大きく傾き、安全のために撤去された。
藤枝市岡部町野田沢では市道野田沢竹ノ沢線の河川内に土砂が崩落した。現場近くの2世帯4人が市外のホテルなどに避難し、市は付近を通行止めにした。復旧時期は未定という。静岡市清水区の巴町アンダーパスは雨により冠水し、一時通行止めとなった。