漏水リスク、AIで解析 衛星データ活用 磐田市が運用開始

 磐田市の草地博昭市長は12日の定例記者会見で、人工衛星で観測したデータを人工知能(AI)で解析し、水道管の漏水リスクを評価する新技術の活用を始めたと発表した。デジタル技術で漏水リスクの高い箇所を把握し、優先して調査することで、人手による作業量を減らす。草地市長は「調査にかかる時間の短縮とコストの削減を図りたい」と説明した。

衛星データと人工知能(AI)で評価した水道管の漏水リスク分布図。赤色がレベル5
衛星データと人工知能(AI)で評価した水道管の漏水リスク分布図。赤色がレベル5

 都内ベンチャー企業に委託し、複数の地球観測衛星から地表の温度や水分量、路面の陥没・隆起など水道管に負荷をかける環境要因データを集めて市内の水道管路データと組み合わせ、AIが100メートル四方の単位で漏水リスクを5段階で評価する。初めて実施した評価では、総延長約1400キロの水道管のうち、43キロが今後2年間で漏水する確率20%以上のレベル5と判定された。
 市は2024年度、レベル5の箇所に絞って人手による音聴調査を行い、漏水が発生していないかを確認する方針。上下水道工事課によると、1400キロ全てを人手で行うと約12年かかる調査期間が1年に短縮できる。調査費用も約3割(3300万円)削減できると想定した。23年度の衛星とAIによる漏水リスク評価委託料はシステム構築費用も含め約800万円。
 (磐田支局・八木敬介)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞