下田(加藤学園高出)日本勢最高 2位 陸上・別府大分毎日マラソン

 別府大分毎日マラソンは4日、大分市高崎山うみたまご前からジェイリーススタジアムまでのコースで行われ、下田裕太(GMOインターネットグループ、加藤学園高出)が2時間8分24秒で日本勢最高の2位に入った。ワークナー・デレセ(ひらまつ病院)が2時間7分58秒で初優勝を果たした。

日本勢トップの2位でゴールする下田裕太=ジェイリーススタジアム
日本勢トップの2位でゴールする下田裕太=ジェイリーススタジアム

 初マラソンの岸本大紀(GMOインターネットグループ)が2時間8分38秒で3位だった。下田は30キロ過ぎから先頭集団をけん引。37キロ付近で仕掛けたが、終盤はデレセに引き離された。
 視覚障害男子は和田伸也(長瀬産業)が自身の持つT11クラスの世界記録を1分2秒更新する2時間23分27秒で制した。(スタート時曇り、気温8・5度、湿度93%、南南西の風0・9メートル)
自信取り戻すレース 悔しさに燃え 再出発  自信を取り戻す結果をつかんだ。昨年10月のパリ五輪代表選考会で45位に終わる悔しさを味わった下田が日本勢トップの2位。自己ベストには1分ほど届かなかったものの、両手でガッツポーズをつくってゴールし「思い描いたレースになり、とてもうれしく思っている」と晴れやかな表情で言った。
 ペースメーカーが外れた30キロ過ぎから、積極的に先頭集団を引っ張った。4人に絞られた37キロ付近で「すっと前に出られた」と、曲がり角を利用して一気にギアを上げて引き離す。その後すぐに先頭を譲り、一度後続にも追い付かれたが、何とかこらえた。
 代表選考会では悪天候などに対応できず「勝負をして自分の力をもう一度試したい」と、今大会の出場を選んだ。2025年に東京で開催される世界選手権出場を見据え「2時間5、6分台を目指す。この経験が生きるように頑張りたい」。力強く、再出発を切った。

 ▽男子 ①ワークナー・デレセ(ひらまつ病院)2時間7分58秒②下田裕太(GMOインターネットグループ)2時間8分24秒③岸本大紀(GMOインターネットグループ)2時間8分38秒④プライスナー(カナダ)2時間8分58秒⑤安井雄一(トヨタ自動車)2時間9分30秒⑥吉岡智輝(九電工)2時間10分3秒⑦牟田祐樹(ロジスティード)2時間10分28秒⑧緒方貴典(トヨタ自動車九州)2時間10分47秒⑨国行麗生(大塚製薬)2時間11分27秒⑩ラクーアヒ(モロッコ)2時間11分42秒
6分台狙っていた  ワークナー・デレセの話 うれしい。標高の高いところで練習してきて(指導者から)調子がいいと言われていたので、本当は2時間6分台でいきたかった。
初挑戦の岸本 残り7キロ課題  実業団1年目で初マラソンに挑んだ岸本は、35キロあたりまで涼しい顔でレースを進めた。だが、その後は同じチームで青学大の先輩でもある下田の仕掛けに対応できず「まだまだ練習不足。残り7キロをどう走るかにフォーカスしてやっていけば勝負できるのでは」と課題を口にした。
 30キロ付近では隣を走る下田から「残り10キロ、勝負していこう」と鼓舞され、笑顔を見せる場面もあった。春はトラックレースに専念するとし「しっかりスピードをつけていきたい」と話した。
それほどではない  日本陸連で強化に携わる瀬古利彦氏の話 絶好のコンディションの割に(全体のタイムは)それほどではなかった。(下田は)スパートで逃げ切れなかった時に、いろいろ試しても良かった。次のレースにつなげてくれると思う。

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