大自在(2月4日)立春

 子供の頃には分からなかった食べ物のおいしさに、年を取ってから気づくのはよくあること。筆者にとってフキノトウはその代表格だ。苦みが原因で長い間食わず嫌いだったが、中年になってから天ぷらを食べて見方ががらりと変わった。
 交流サイトには、芽吹いたフキノトウの写真がいくつも投稿されている。先日、伊豆の観光施設でロウバイや紅梅が見頃を迎え、河津桜などが咲き始めたとの記事もあった。きょうは立春。暦の上では春の始まりだ。
 本格的な春の訪れが近づいているのは間違いないが、一方で静岡県は新型コロナウイルスの感染拡大警報を約4カ月ぶりに発令した。インフルエンザの警報も発令中で、同時期に警報が重複したのは初という。
 年5月に新型コロナの感染症法上の位置付けが、それまでの2類相当から5類に移行して行動制限が解除されたとはいえ、感染力が強いことに変わりない。可能な予防対策を講じ、インフルとの同時流行が沈静化するのを待ちたい。
 どちらも20歳未満の患者の割合が高く、特に10代が目立つという。入試シーズンでもあり、受験生がベストの状態で試験に臨めるよう願う。本人が体調管理に配慮することが重要だが、周囲のサポートも欠かせない。
 元日に震度7の地震に見舞われた能登半島や周辺の被災地では、厳しい寒さが続く。住宅倒壊での死者だけではなく、災害関連死も発生している。避難生活を続ける多くの被災者が、寒さが和らぐのを待ち望んでいるだろう。遠方からできるサポートがないか常に心を配りたい。

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