大自在(12月23日)育成と再生

 静岡市を拠点に来季から日本野球機構(NPB)のプロ野球2軍戦に新規参入するハヤテ223[ふじさん]。新入団選手やコーチ陣が発表されるなど、チーム作りは順調に進んでいるようだ。期待は高まる。
 静岡高出身の赤堀元之監督は「育成と再生」をテーマに掲げる。1軍を持たず、NPBに入りたい選手、戻りたい選手が個人の能力を磨くことに力を注ぐ。そこは独立リーグの選手と変わらない。
 今年のNPBドラフト会議では、独立リーグ所属から過去最多の23選手が指名され、社会人の14人を上回った。社会人は高卒から3年、大卒なら2年たたないと指名が受けられないが、独立リーグの場合は1年目から指名可能であることも要因だろう。NPBへの道を多様化させている面で独立リーグの存在意義は大きいといえよう。
 そもそも、NPBの2軍の目的とは何か。オリックス1軍コーチで2軍監督経験がある田口壮氏は「1軍が勝つための人材を派遣する場所。もしくは1軍選手の調整のための場所」と「プロ野球・二軍の謎」(幻冬舎)で言及していた。
 2軍とはいえ、NPBと契約しているプロ選手。試合や練習、調整などは全て、1軍で活躍するためにある。2軍の試合に出場できない選手を育成する目的で3軍を保持し、独立リーグや大学などとの実戦経験を積ませる球団もある。
 ハヤテとNPB2軍では立場や目的の違いから、どうしても意識の差が出るだろう。同じ舞台で戦う違和感もある。だが、新球団の参入がプロ野球界の再編、発展への契機となることを願いたい。

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