日銀静岡支店12月短観 県内DI8ポイント改善、5年ぶり高水準

 日銀静岡支店が13日発表した12月の県内企業短期経済観測調査(短観、回答社261社、回答率99・2%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス12だった。9月の前回調査から8㌽改善し、新型コロナウイルス拡大前の2018年12月調査以来、5年ぶりの水準。半導体不足の緩和による自動車関連産業の回復や社会経済活動の正常化が幅広い業種の景況感を押し上げた。
 製造業はプラス7で、前回比10㌽改善。自動車生産の増加を受けて電気機械が22㌽改善のプラス7、輸送用機械が9㌽改善のプラス25となった。加工業種の食料品もコスト上昇分の価格転嫁が進み、プラス10と前回から30㌽改善した。海外経済の停滞で楽器産業などが悪化したが、ほぼ全ての業種で改善傾向を示した。
 非製造業は4㌽改善のプラス15。政府によるエネルギー価格高騰対策の恩恵を受け、運輸・郵便が15㌽、小売が6㌽それぞれ改善した。人流回復に伴う需要増加も追い風となり、卸売や対事業所サービスなども堅調を維持した。
 3カ月先を予測した全産業DIは3㌽下降のプラス9。インバウンド(訪日客)需要の高まりで宿泊・飲食サービスは改善を見込む一方、多くの業種が中国経済の減速や価格転嫁の遅れ、消費者が強める節約志向の影響を危惧した。
 23年度計画の売上高は5・5%増とし、前回調査から1・9㌽の下方修正。仕入れ価格DIはプラス52で5㌽下降したものの、高水準が続いている。雇用人員判断DIはマイナス32で製造業、非製造業ともに下降し、人手不足感が強まっている。

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