能楽の発展過程や歴史に理解深める 静岡県立大で講演会 東アジア文化都市

 静岡県文化財団などはこのほど、特別講演会「シルクロードが生み出した芸能<能楽>」を静岡市駿河区の県立大で開いた。県が推進する交流事業「東アジア文化都市」の一環。学生や県民約160人が、東アジアの影響を受けた能楽に理解を深めた。

能を披露する宝生さん=静岡市駿河区の県立大
能を披露する宝生さん=静岡市駿河区の県立大

 来年1月に同区のグランシップで開かれる「グランシップ静岡能」に出演する宝生流第20代宗家宝生和英さんが講師を務めた。宝生さんは渡来人によってもたらされた「散楽」が、戦や疫病から逃れたり農作業を効率よく行ったりするために、独自に発展して能楽が生まれたことを紹介。衣装などに用いられる唐草模様や能面技術に東アジアの文化が垣間見えることを説明した。
 「邯鄲(かんたん)」の「楽」の舞も実演。「あらゆる文化を日本に合うように取捨選択して芸能は成熟した。海外に目を向けることは日本を見つめ直すこと」と話した。
 「グランシップ静岡能」では、宝生さんが新型コロナウイルス禍をきっかけに新たに演出した「石橋」を披露する。

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