21世紀倶楽部 7月例会セミナー 中小DXや人材育成解説 浜松

 静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部の7月例会セミナーが27日、浜松市中区のプレスタワーで開かれた。県産業振興財団ふじのくにICT人材育成プロデューサーの阪口瀬理奈さんが中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の現状や、人材育成戦略のポイントなどを解説した。

中小企業のDX戦略などをテーマに講演した阪口瀬理奈さん=27日午後、浜松市中区のプレスタワー
中小企業のDX戦略などをテーマに講演した阪口瀬理奈さん=27日午後、浜松市中区のプレスタワー

 社内のデジタルインフラや人材環境の現状を整理するため、中小企業向けに作成した17項目の「デジタルスキル標準」(中部地域経営会議版)を紹介。企業の実情に沿った戦略構築へ活用を勧めた。
 一方、新しい試みを導入する際は不安感が前提にあるとし、「適応力を養うため、日頃から小さい変化を積み重ね、リスキリング(学び直し)を積極支援する」といった企業風土の醸成が必要と説いた。メールや口頭からビジネスチャットに変更するなど、新しいコミュニケーションツールの導入などを足掛かりの一例に挙げた。
 加速度的に進むデジタル技術の進行にも留意を促した。静岡市に3月に開設されたICT人材育成やイノベーション創出の拠点「SHIP」、浜松市中心部の起業家支援拠点「FUSE」の存在に触れ、「多様な人材が集まる場に参加するなど、日常的にIT関連の情報が入る状況をつくるべき」と強調した。

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