地域企業高度化へ 静岡でテックビート開幕 新興企業102社集結

 首都圏などのスタートアップ企業と県内企業をつなぐビジネスマッチング行事「テックビートシズオカ2023」(同実行委主催)が19日、静岡市駿河区のグランシップで開幕した。新興企業102社が出展し、情報通信技術(ICT)を生かした生産性向上やものづくり改善、脱炭素推進など、地域企業に多彩な経営高度化策を提案している。21日まで。

各社が情報通信関連などの最新技術を紹介した「テックビートシズオカ2023」=19日午前、静岡市駿河区のグランシップ
各社が情報通信関連などの最新技術を紹介した「テックビートシズオカ2023」=19日午前、静岡市駿河区のグランシップ

 大学発ベンチャーの匠技研工業(東京都)は、中小製造業向けにAI(人工知能)を活用した部品加工の見積額算定支援システムを紹介。前田将太社長は「高齢化や人手不足が進む中小企業はIT化が喫緊の課題。価格転嫁がもっと円滑に行えるように支援したい」と意気込んだ。
 環境、農業関連の技術提案も目立った。浮体式洋上風車を開発中のアルバトロス・テクノロジー(東京都)の秋元博路社長は「日本発の環境技術として、静岡県沖も含め国内の海上に設置したい」と構想を語った。焼津市の研究拠点でワサビ栽培システムの開発を進めるNEXTAGE(同)の担当者は「企業の農業参入のハードルを下げ、ワサビ生産増につなげたい」と話した。
 開会式であいさつした実行委員長の中西勝則しずおかフィナンシャルグループ会長は「(対話型AIの)チャットGPTなど、世界の先端技術をどうビジネスに取り入れるかが重要。テックビートが企業にとって刺激や気付きの場になってほしい」と述べ、県内での新産業創出に期待した。
 村井英樹首相補佐官や東京大大学院の松尾豊教授がAIによる社会変革をテーマに講演したほか、県内建設業のデジタル化についてのパネル討論もあった。
 同行事は2019年に始まり、オンラインや個別業界版を含め今回で9回目。

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