アプリ活用し釣り人受け入れ再開 西伊豆・田子漁港 マナー向上へ

 西伊豆町などは7月末、釣り客と漁業者とのトラブルなどを巡って釣り禁止となっていた田子漁港で、アプリケーションを活用した釣り人の受け入れを再開する。アプリで釣り場を管理する仕組みを導入し、混雑緩和やルール周知によるマナーの向上につなげる。町は「全国の漁港が抱える釣り人のマナー問題を解決できるのではないか」と期待を込める。

7月末から試験運用する釣り場の予約アプリ「海釣りGO」。混雑緩和や釣り人のマナー向上を図る=西伊豆町の田子漁港
7月末から試験運用する釣り場の予約アプリ「海釣りGO」。混雑緩和や釣り人のマナー向上を図る=西伊豆町の田子漁港

 取り組みを始めるのは、町と伊豆漁業協同組合田子支所、アプリを開発した「さかなファーム」(東京都)。同港は良質な釣り場として人気だったが、近年は釣り客がごみを捨てていったり、漁船の運航を妨げたりするなどのトラブルが発生。昨年7月から釣り禁止となっている。
 アプリ名は「海釣りGO」。事前予約が必須で、それぞれ1時間ごと釣り場300円、駐車場100円をキャッシュレス決済で支払う。町民と町内外の小学生以下は予約の上、無料で利用できる。各徴収料はアプリの使用手数料を差し引き、港の維持管理に使われる。港内では巡視員が不定期で見回りを行い、適正利用を促す。
 アプリ開発の中心を担ったさかなファームの國村大喜取締役は「漁港は多くの人が関わって成り立つ場所。利用者全員が気持ちよく過ごせる場所になればうれしい」と語る。
 町は導入に合わせて6月、漁港管理条例を一部改正し、漁港の利用料を徴収できるなどのルールを設けた。近くのスーパーでは釣り具のレンタル(税込み500円)も始める。
 産業建設課の松浦城太郎主査は「港周辺の活気にもつなげたい」、伊豆漁協田子支所の真野創支所長は「地元の人や釣り人が交流できる場所になってほしい」とそれぞれ話す。
 町によると、アプリによる釣り場の管理は全国初の試み。来年2月中旬まで試験運用し、同4月の本格運用開始を目指す。
 (松崎支局・太田達也)

 

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