静岡人インタビュー「この人」 全国高校生大作書道展で最高賞の文部科学大臣賞を受賞した 木村智祐さん(沼津市)

 今年の全国高校生大作書道展(公益財団法人独立書人団主催)で、県内唯一の表彰を受けた。木簡をテーマにした書作品が評価された。沼津西高芸術科3年生で、書道専攻。プロとして作品を制作しながら、書道の先生になるのが夢。17歳。

木村智祐さん
木村智祐さん

 -書道を始めたきっかけは。
 「祖母が書道塾をしていた影響で、小学3年生から習字を始めた。そのうち、先生をする祖母がかっこよく見え、字を書くことが楽しくなった。本格的に書道に挑戦したいと思い、沼津西高に進学した。高校1年生から書道部に所属し、週5日、各3時間半ほど練習している」
 -出展した作品は。
 「縦240センチ、横510センチの大きな紙に、六つの木簡を書いた作品。木簡の形を取り、柔らかみのある字、つぶされたような字など各木簡の特徴を捉えることにこだわった。最終的に一つの作品として一体感を出すのに苦労したが、木簡の良さを生かすことができた作品だと思う」
 -受賞を受けての感想を。
 「知った時はびっくりして言葉が出なかった。気がついた時には涙が流れていた。祖母も泣きながら喜んでくれた。これまで全国のコンクールなどに出展はしていたが、入賞したことがなかった。思うように書けずにつまずいた時、家族や仲間に支えて助けてもらった。自分だけではとることができなかった賞だと感じている」
 -書道の魅力を。
 「字は角張ったり、丸みがあったりと形がさまざまで、奥ゆかしさがある。それを表現することにやりがいとおもしろさを感じる。大学でも書道を続けて、書き続けたいし、将来は祖母のように子どもたちに教えたい。書道の魅力を伝えるためにも、まずは一流になりたい」

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