ガウディ 幻の建築の100分の1レプリカ 東京に展示 松崎町・伊豆の長八美術館

 松崎町の伊豆の長八美術館が展示するスペインの建築家アントニ・ガウディが設計した「ニューヨーク大ホテル」のレプリカが、東京都内で開かれるガウディ関連の展覧会に出張展示される。幻に終わった建設計画案で、レプリカとして再現された作品は貴重という。同館は「ガウディの建築思想を読み解く一助になるのではないか」と期待している。

ガウディ設計の幻の建築計画「ニューヨーク大ホテル」のレプリカ。都内の展覧会で展示される=松崎町の伊豆の長八美術館
ガウディ設計の幻の建築計画「ニューヨーク大ホテル」のレプリカ。都内の展覧会で展示される=松崎町の伊豆の長八美術館

 レプリカは、同館を設計した建築家の石山修武氏と日本左官業組合連合会(東京都)によって、1985年に都内で開催された「スペイン展」のために制作された。展示会の後、左官の名工・入江長八の出身地であるなど左官業と縁のある同町に寄贈された。
 レプリカは、高さ約3メートルで、約100分の1サイズ。計画では300メートルを超える高さを想定していたという。セメント製とみられ、ガウディの弟子が残した設計資料を基に再現。ガウディの代表作「サグラダ・ファミリア聖堂」に見られる斬新なデザインが要所にちりばめられている。
 同館敷地内には、石山氏と交流があったサグラダ・ファミリア聖堂の建築に携わる彫刻家の外尾悦郎氏の作品もある。学芸員の鸖見志乃さん(34)は「出張展示を機に、美術館にはガウディゆかりの作品があることも知ってもらえたらうれしい」と話す。
 レプリカは5月18日に搬出され、東京国立近代美術館で6月13日~9月10日開催の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」で紹介される。滋賀県と愛知県に巡回予定で、約1年間出張展示される。

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