GWにぎわい“日常”へ 静岡県内客足、コロナ禍前並みも

 最大9連休となるゴールデンウイーク(GW)は3日、折り返しを迎えた。連休明けに新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行することもあり、県内の行楽地には多くの人々が詰めかけ、“日常”を取り戻したようなにぎわいを見せた。交通は新東名高速道で渋滞が発生し、東海道新幹線は乗車率が100%を超えるなど混雑した。

富士山を背景に写真撮影を楽しむ観光客=3日午前、三島市の三島スカイウオーク
富士山を背景に写真撮影を楽しむ観光客=3日午前、三島市の三島スカイウオーク


 三島市の観光大つり橋「三島スカイウオーク」は、6日まで限定の午前6時半のオープンから多くの観光客でにぎわった。8時過ぎには400台収容の敷地内駐車場が満車に。多くの家族連れやグループが富士山を背景に写真撮影などを楽しんだ。つり橋を運営するフジコーによると、GWの客足はコロナ禍前と同等に回復。レストランや土産物店の売り上げも好調という。友人家族とグランピングで伊豆に訪れた東京都国分寺市の会社員中津川真裕さん(36)は「マスクを清々と外せて開放感がある。連休を気持ち良く楽しみたい」と笑みを浮かべた。
 袋井市の法多山尊永寺は新緑の見頃に合わせた散策イベントを開催中で、境内に飲食や雑貨の出店が並んだ。付近の駐車場には県外ナンバーの車が多く、愛知県豊橋市の会社員河合利浩さん(60)は「イベントを知り、足を延ばした。県境をまたぐ移動をためらっていたので、気軽に旅行できてうれしい」と話した。
 同寺によると、コロナ禍の20~22年度は4、5月の参拝者数が19年度の5~8割程度に落ち込んだ。今年は回復が見込めるといい、大谷純應住職は「参拝者は感染症とうまく付き合って楽しんでいる。この連休を契機に以前の活気が戻ってくれたら」と期待した。
 静岡市中心部ではフラダンスのイベント「呉フラ」が開かれ、沿道に大勢の見物客が足を止めた。企画した静岡呉服町名店街の阿諏訪元成営業委員長(64)は「静岡市の中心地として盛り上げたい思いがある。GWに帰省した家族と一緒に来ていい思い出にしてもらえれば」と語った。周辺では「シズオカ・サンバカーニバル」も行われた。
 県警によると、県内の高速道路は午前10~11時、新東名下り浜松サービスエリア付近から約16キロの渋滞が発生した。JR東海によると、静岡駅を発着する新幹線「ひかり」の自由席乗車率は、下りが午前8時台に140%、上りが同9時台に130%となった。

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