護憲派/9条生かそう 改憲派/自衛隊、戦力に 憲法記念日に静岡県内で集会

 憲法記念日の3日、静岡県内で護憲派と改憲派の集会が開かれた。それぞれに元自衛官らが登壇し、憲法9条や自衛隊のあり方で参加者と意見を交わした。
 静岡市葵区では県憲法会議が市民の集いを開いた。主催者代表で県労働組合評議会の菊池仁議長は政府が閣議決定した安保関連3文書に触れ「9条に反する重大な方針転換。国会を通さず決めたことは大きな問題」と批判。「日本の憲法は過去の戦争の反省に基づいた国民の決意が込められたもの。生かす取り組みが必要」とした。
 海上自衛隊に27年務め、依願退職して農家となった形川健一さん(54)が講演し、退職の経緯を振り返りつつ、「自衛隊は軍隊じゃない。災害派遣隊にすれば良い」と持論を語った。
 日本会議静岡富士支部が富士市で開いた憲法講演会は元統合幕僚長の河野克俊さんが登壇した。ロシアのウクライナ侵攻が世界や日本の安全保障に与えた影響を「核保有国の責任による核拡散のストッパーが外れ、米国が軍事介入しないことも分かってしまった」と指摘。北朝鮮や中国の動向について「核をめぐる状況が明らかに変わる中、日本は自衛隊を戦力でないと言い続けるのか。国の形としてこれでいいのか改めて国民に問うべき」と改憲議論を訴えた。国会議員とのパネル討論も行った。

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