「鎌倉殿」セット ベンチに再生 伊豆の国市 大河レガシー、新たな観光資源に

 静岡県東部を主なロケ地として、昨年末に放送が終了した大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。オープンセットの作られた伊豆の国市が、セット解体時の廃材を活用して観光客の誘致に乗り出した。その名も「おもてなしベンチ」。国連の掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」にも一役買う。

お披露目会で出来栄えを確認した願成就院の「おもてなしベンチ」=伊豆の国市寺家
お披露目会で出来栄えを確認した願成就院の「おもてなしベンチ」=伊豆の国市寺家

 ベンチを製作したのは、撮影のためのセットの設計や解体に携わった「伊豆の国市建設業協会若手の会」(木村真一代表)。主に「北条館」に使われている木材を利用した。「13人」にちなみ、会に所属する13事業所が、願成就院(同市寺家)や韮山時代劇場(同市四日町)など、市内の神社や寺院、大河ドラマゆかりの施設13カ所に設置した。
 ベンチはセットの風合いを残した。同院では北条家の家紋「三つ鱗(みつうろこ)」をイメージし、1辺2メートルの三角形で高さは50センチ。野外活動センター(同市下畑)ではセットの屋敷の門をそのままベンチに使用した。座面約6平方メートルの巨大なベンチになった。
 同院でこのほどお披露目式が行われ、会員らは早速出来栄えを確認した。木村代表(44)は廃材として処分するにはかなりの量だったといい、「再利用できないかと考えていて、環境に考慮できて良かった」と振り返った。「アフター大河で市民や観光客のコミュニケーションの場として利用してほしい」と願う。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞