東電、協議応じず 田代ダム案巡り川勝知事「JRに責任」

 リニア中央新幹線トンネル工事湧水の静岡県外流出対策としてJR東海が示した田代ダム取水抑制案を巡り、ダムを管理する東京電力側が現段階でJRとの具体的な協議に応じていないことについて、川勝知事は会見で「JRに基本的な責任がある」と述べ、東電が協議に応じるための環境を整えるようJRに求めた。
 JRは1月25日の県有識者会議専門部会開催後の取材に、田代ダム案の実現性について部会委員から一定の理解を得られたとして、東京電力リニューアブルパワー(東京、東電RP)と具体的な協議を始める考えを示した。しかし、東電RPは取材に対し、大井川流域市町などの了解が得られていないことを挙げて、協議に応じていないと回答した。
 川勝知事は、東電RPは田代ダムの水利権について流域市町などと協議する大井川水利流量調整協議会の委員であることを指摘し、「(ほかの)協議会(委員)の理解がないと動けないともっともなことを言っている」と同社の見解に理解を示した。その上で、同協議会は県が事務局を務めているため、流域市町がJRから説明を受ける場として「希望があれば協議会を開きたい」との考えを述べた。

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