静岡人インタビュー「この人」 全国障害者スポーツ大会で連覇を狙う 森下実咲さん(御前崎市)
昨年10月に栃木県で開かれた第22回全国障害者スポーツ大会の陸上女子立ち幅跳びと50メートル(いずれも視覚障害1部)で優勝した。陸上の魅力は「記録を伸ばせるところ」と語る。県立浜松視覚特別支援学校高等部3年生。18歳。
―優勝の感想は。
「できると思っていなかったのでうれしい。大きなスタジアムでやるのは初めてで緊張した。立ち幅跳びで大会記録(2メートル11)が出てびっくりした。練習でも跳んだことがない」
―3年越しの全国大会だったとか。
「2019年にも県代表に選ばれていたが、台風の影響で、開催地の茨城県に向かう電車の中で中止を言い渡された。20年と21年は新型コロナウイルス感染の拡大で中止になった。ようやく初出場できた」
―スポーツや陸上との出合いは。
「生まれつきの弱視だが、体を動かすのが好きで年中から小6まで体操教室に通っていた。中学で体育の先生に誘われ、静岡パラ陸上競技協会の練習会に行くようになった。最初は走り幅跳びをやっていたが、踏み切りに足が合わず思うようにできなかった。そこで立ち幅跳びを試したら、思った以上に記録が出た。中学でパラ陸上に出合えたのはいい転機になった」
―今後の目標は。
「卒業後は地元で就職する。学校の部活動はできなくなるけど、自分で走り込んだり、練習会に参加したりして、楽しみながら自己記録更新を目指したい。陸上の他にピアノやハーモニカ、韓国語も習っている。障害があるからといってできないことはない。何でも楽しんでチャレンジすることが大事だと思っている」