静岡人インタビュー「この人」 学生らと町をつなぎ新規ビジネス創出を図る地域おこし協力隊 高井洋季さん(西伊豆町)

 2020年に西伊豆町地域おこし協力隊に就任。同町の地域活性化を進めるNPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)の元職員で、現在理事として学生と町のハブ役を務め、新規ビジネスの創出を図る。隊員の定住促進や働きやすい体制づくりのほか、地域課題解決を促すために官民連携を進める。横浜市出身。41歳。

高井洋季さん
高井洋季さん

 -就任のきっかけは。
 「国際協力について学ぶために留学した経験がある。その際、東日本大震災が発生したのを機に日本を拠点として国内諸地域の課題解決に取り組もうと決めた。これまでは学生を介在して地方創生に携わってきたが、自身がプレーヤーになりたいと考えた。西伊豆は人口減少が進む中で、問題意識を持って積極的に行動する人がいる」
 -西伊豆との関わりは。
 「13年の豪雨によって町が土砂災害や浸水被害に遭った際、IVUSA職員として学生を連れて救援活動に訪れた。約100人が土砂のかき出しなどの復旧作業を行った。翌年以降も、景勝地・黄金崎の森林保全や担い手不足で悩む地域の祭りの運営に関わってきた」
 -IVUSAが現在注力する活動は。
 「耕作放棄地で生産した環境に優しい野菜をブランド化し、ビジネスとしての定着を目指している。新型コロナウイルスの影響で一時活動は停滞したが、直売所やホテルのメニューの材料として使われるようになった。持続可能なビジネスとして循環する仕組みに導きたい」
 -今後の目標は。
 「一人でできることは少ない。企業同士や企業と町を結ぶことで、新規事業や雇用を創出したい。特に移住者を増やすことにフォーカスしていく」

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