県境ボーリング巡り JR東海、静岡県要請受け実施見合わせ  

 JR東海は14日、リニア中央新幹線トンネル工事に伴い山梨県から静岡県境に向かって実施する計画の高速長尺先進ボーリングについて、静岡県の要請に応じて実施を見合わせていると明らかにした。国土交通省専門家会議後の取材で宇野護副社長が答えた。
 JRは1月25日の県有識者会議の専門部会で、県境を越えてのボーリングは山梨県側に流出する湧水を静岡県側に戻す方法が決まるまで実施を見合わせるとした一方、ボーリングの削孔(さっこう)は2月初旬にも始め、県境付近までは進めるとした。これを受け静岡県は1月31日、山梨県内の削孔でも静岡県内の地下水が引っ張られる形で流出する可能性に懸念を示し、湧水の管理体制について合意するまで削孔自体を行わないよう申し入れていた。
 宇野副社長は「県の照会にきちんと答えることが大事」としつつ、「まだ県境からは遠い。回答を整理次第(ボーリングを)速やかに開始したい」と述べた。
 県が盛り土規制条例に基づき、JRが示しているトンネル工事残土置き場計画のうち要対策土の存置計画は認められないと指摘していることについて宇野副社長は「大規模工事事業者が共通して困る制度」と話し、県に継続して再考を要請する考えを示した。

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